日本軽金属、商社機能を集約 不二貿易を日軽産業に統合

 日本軽金属は直系商社の事業再編に乗り出す。10月1日付で日軽産業に不二貿易を統合するほか、日軽産業の保険ビジネスを工場メンテナンス子会社に移管する。アルミ圧延品や加工品の商社機能を日軽産業に一本化することで経営資源の増強と効率化を目指す。日軽産業が23日発表した。

 日軽産業は、2000年に日軽商事と日軽産業が合併した企業で日本軽金属グループの中核商社。12年には日本軽金属から不二貿易の株式を取得。不二貿易の株式99・6%を持ちながら、それぞれが特色を生かした商材を扱い、連携することで併存してきた。こうした中、日本軽金属は来年度以降の新しい中期経営計画を策定する上で、両社を統合して優位性を追求することが必須と判断し、事業統合を決めた。

 今年6月の人事異動で、日系産業の非常勤取締役だった松島陽一不二貿易社長が常勤取締役に変更されたことを受けて2社統合の観測が浮上していた。

 アルミ圧延品や加工品に絡んだビジネスを一本化させる一方で、旧日軽商事時代からの事業の一つである保険ビジネスにも手を加える。

 近年の自然災害の高まりを受けて保険事業の重要性が増しているとの判断の下、日軽産業の完全子会社で日軽金グループの工場建屋・設備メンテナンス工事サービスを手掛ける日軽パートナーズ(旧社名・清水整美)に事業を10月1日付けで移管する。

 保険代理業とメンテナンス工事サービスの一本化することで、メンテナンスニーズと複雑化、高頻度化する災害損害リスクの対応力を強化する。

 不二貿易の17年の度売上高は31億9千万円。この事業を統合する日軽産業は従業員240人、19年度売上高は380億円に達することとなる日軽パートナーズは従業員47人、19年度売上高4億2千万円となる。

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