2連勝のタナク「今まででもっとも大変な思いをして手にした勝利」/WRC第9戦ドイチェランド デイ4後コメント

 WRC世界ラリー選手権第9戦ドイチェランドは8月19日、SS16〜18が行われ、競技初日から首位に立っていたトヨタのオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が逃げ切り優勝。2連勝を飾るとともに、トヨタにWRC復帰後、初のターマック(舗装路)戦勝利をもたらした。またエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が3位表彰台を獲得している。

■Mスポーツ・フォード

●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)/総合4位

総合2位を獲得したティエリー・ヌービル(右)とニコラス・ギルソウル(左)

「かなりチャレンジングな週末だったから、総合2位で終えることができてよかった。目標だった選手権でのリードもほんの少し広げることができたからね」

「パワーステージ(のSS18)ではもう少しポイントをポイントを稼ぎたかったけど、ミスしてしまったから、そのあとはセーフティに走ったよ」

「週末をとおして安定した走りができていたけど、自信を持って走ることができなかったし、ペースにも納得していない。簡単な戦いではなかったけど、やるべきことは達成できた」

「このあともチャンピオン争いは僅差の戦いになるだろうね」

●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合6位

競技最終日にリタイアしたマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)

「高速の左コーナーに差し掛かったとき、オーバーステアが出てしまい、茂みに突っ込んでしまった。この衝撃で冷却系にダメージを負ってしまい、走行を続けられなくなってしまったんだ」

「残念な結果の終わってしまったけど、この週末はいい面もあった。僕たちは徐々にペースを上げることができていたし、C3 WRCをこの路面(ターマック)で走らせた経験が少ないにもかかわらず、安定したタイムを刻めていたからね」

携帯電話でチームと連絡を取るオストベルクのコドライバー、トースタイン・エリクソン

■トヨタ

●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/リタイア

ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)

「最初のSSに向かうロードセクションで止まった時、ギヤを1速に入れようとしたけど、(ギヤが)入らなかった。油圧ポンプが止まってしまったんだ」

「ギヤチェンジを手動に切り替えることはできたけど、油圧ポンプが作動していないためギヤボックスに大きなストレスがかかり、結局駆動を完全に失った」

「今年は何度も運の悪い出来事に遭遇してきたけど、今週末はいいフィーリングを感じていただけに残念だ。クルマのパフォーマンスは非常に高く、戦いを楽しめたことが今回1番の収穫だよ」

●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)/総合1位

「間違いなく、今まででもっとも大変な思いをして手にした勝利だ。週末をとおして激しいバトルが続き、ひたすら全力で攻め続けなくてはならなかったけど、金曜日のぶどう畑のステージでは、快適に運転することができた」

「土曜日の午前中はあまり自信を持てなかったが、チームが日中のサービスでクルマを大幅に改善してくれたんだ。そして今日は、クリーンな走りだけを心がけた。僕たちのチームは今週末本当に強く、とても満足している」

「選手権争いについても正しい方向に進んでいると思うけど、それでも自分としては1戦、1戦を大事にしている。現在は次戦トルコに集中していて、できる限り万全な準備をしてラリーに臨みたいと思う」

●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/総合3位

エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)

「本当に大変な週末だったけど、それでも問題もミスもなく戦い続けた結果、ポディウムに立つことができた。自分のまわりでは、昨日から今日にかけていろいろな出来事があったけど、それがラリーというものであり、僕自身もそのような経験をしてきた」

「週末を通して前進することができたと思いますが、それでもダーティな路面で限界がどこにあるのかを理解するには、もう少し多くの距離を走る必要があるね。ドイチェランドはミスに寛容なラリーではないから、今回はミスをしないよう、細心の注意を払って走った」

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