今年から始まった若手版バロンドール「トロフェ・コパ」。
バロンドールを選出している「France Football」が21歳未満の選手を対象に始めたものだ。
堂安律やキリアン・エムバペなど候補者が10人選ばれたが、その候補者には不満の声が多く挙がった。
こういった賞では不満があがることは常だが、今年が初めての試みということもあり、特にそういう声が出た。
選ばれた候補者はもちろんいい選手だが、今回は選ばれてもよかった選手を紹介していこう。
ライアン・セセニョン
フラムのイングランド人MF。
昨シーズン、チャンピオンシップで49試合16ゴールと得点能力が開花し、フラムをプレミアリーグまで押し上げた立役者である。
本来は攻撃が持ち味で守備が不安定なSBだったが、ポジションが前に移ってきてMFやFWとして振る舞うようになってきた。
SBからFWに移行してワールドクラスの選手になったベイルのようなキャリアをなぞっている。
イングランドの期待の星で、インパクトを残しただけあって選ばれてもサプライズ感はなかっただろう。
カイ・ハヴァーツ
レヴァークーゼンのドイツ代表MF。
エジル2世と呼ばれているようにイマジネーション溢れる選手だ。意外性を作り出すことでチームの攻撃をレベルアップさせる。
身長が188cmと高く、フィジカルはまだそこまで強くないが、トップ下でも生き残っていけそうな選手だ。
レヴァークーゼンでは主力として活躍している上、得点やアシストも決めており、インパクトも残している。選ばれなかったのは不思議だ。
マタイス・デ・リフト
アヤックスのオランダ代表CB。ビッグクラブがこぞって獲得を狙う逸材である。
17歳プロデビューしたあとは、低迷するオランダ代表に定着し、すでに10キャップを記録している。
記録ずくめの選手で、最年少でヨーロッパリーグの決勝でスタメン出場したり、逸材揃いのアヤックスで2番目に早くゴールを決めたりと挙げるときりがないぐらい記録を持っている。
万能型のCBで、オランダ代表でもアヤックスでも欠かせない存在となっており、若手の逸材が多いアヤックスでもひとつ頭が抜けた選手だ。
活躍していることからも、ポテンシャルが大きいことからも選ばれるべきだった。
ダヨ・ウパメカノ
RBライプツィヒのフランス人CB。彼を3つの言葉で表すなら、「高い・速い・強い」だ。
フィジカルを生かしてポジションを確保し空中戦に競り勝ち、カウンターを喰らったときには、真っ先に追い付く。
経験値が重要なCBにおいて、19歳という若さは危険をはらんでいるかもしれない。しかし、彼は大崩れすることはなくシーズンを通して活躍してきた。
CBということもあり、バロンドールのようにFWに比べれば選びにくいかもしれないが、彼にはその資格があっただろう。
ジェイドン・サンチョ
マンチェスター・シティの下部組織出身のイングランド代表FW。
ドリブルが得意でチームの戦術のひとつとして数えられるぐらいチームの攻撃の核を担える。彼はエムバペと同じように、もうすでに単純に若手のいい選手としてみるのは不可能かもしれない。
安定的に相手に脅威を与え、ビッグクラブであるドルトムントの中心選手として活躍しているからだ。
エムバペはゴールを多く決めるためインパクトはより大きいかもしれないが、アシストをより決めるサンチョもインパクトは残している。
若手の個人賞には常に選ばれるような選手であり、今回選ばれなかったのはサプライズであった。