NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 2018年第33戦マーティンズビル レースレポート

モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第33戦マーティンズビル

押し合いながらのラストラップ。

トヨタ・カムリは2、3、4位フィニッシュ

“ペーパークリップ”マーティンズビルで行われたプレーオフ第3ラウンド初戦は、チェッカー目前まで接触しながらのバトルとなりデニー・ハムリンが2位、マーティン・トゥルーエクス・Jr.が3位、カイル・ブッシュが4位でフィニッシュ。

 同じくプレーオフ最終戦への4人を決めるラウンド初戦を戦うトラック・シリーズではプレーオフに残っているブレット・モフィットが2位。トヨタ・タンドラは若手ドライバーが5台トップ10フィニッシュを果たしました。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第33戦 First Data 500
開催日:10月28日

 10月28日(日)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第33戦『First Data 500』が開催されました。

 年間全36戦で争われるシリーズも33戦目を迎え、残すところ4戦。終盤に選抜された上位ドライバーがタイトルを争うプレーオフも第3ラウンド、“ラウンドオブ8”に入りました。当初の16名から半分の8名まで絞られ、ここからの3戦でさらに4名へ。その4名が最終戦ホームステッドでの“チャンピオンシップ4”でタイトルを決定します。
 
 トヨタ勢ではカイル・ブッシュとマーティン・トゥルーエクス・Jr.がこの8人に入っており、それぞれランキング1位、3位でタイトルを目指しています。

 今大会が行われるマーティンズビルは1周0.526マイルとNASCARのカップ戦が開催されるコースでは最短。バンク角も浅く、ロードコースのヘアピン2つがストレートで結ばれたような形状で“ペーパークリップ”の愛称で呼ばれています。70年もの歴史を持つこのコースではデニー・ハムリンが過去5勝。カイル・ブッシュも近年2勝を挙げており、昨年のプレーオフ戦を制しています。

 28日(日)午後2時44分、気持ちよく晴れ渡った空の下、0.526マイルショートオーバルを130周、130周、240周の3ステージ合計500周(263マイル:約420km)して競われる決勝レースがスタートしました。

レースを通してトップ5圏内で争い、2位、4位でフィニッシュしたデニー・ハムリン(#11)とカイル・ブッシュ(#18)

 今季4度目のポールポジションを獲得したカイル・ブッシュに序盤首位を快走、3番手スタートのハムリンとともに首位を争いました。一方、マーティン・トゥルーエクス・Jr.は 予選で6番手につけたものの、決勝前の車検で失格となり33番手からの追い上げを強いられることに。トゥルーエクス・Jr.は途中周回遅れに苦しんだものの、ステージ1終盤には着実位上位へと上がってきました。

 ステージ1はハムリンが制覇。最後までぎりぎりのバトルを繰り広げたカイル・ブッシュが3位に入り8ポイント、トゥルーエクス・Jr.も7位で4ポイントを獲得しました。

 ステージ2もカイル・ブッシュがトヨタ勢を引っ張り、2位でこの日圧倒的な速さを見せたジョーイ・ロガーノ(フォード)を追いました。ステージ2もトップ5をキープし、終盤にカイル・ブッシュをかわしたハムリンがロガーノをサイド・バイ・サイドで追い詰めましたが、半車身及ばず2位、カイル・ブッシュは3位で8ポイント、トゥルーエクス・Jr.も4位で続き、プレーオフ次ラウンド進出に重要な7ポイントを追加しました。

 ステージ3では、序盤若干ポジションを落としたトゥルーエクス・Jr.が追い上げを開始。カイル・ブッシュ、ハムリンともにかわすと首位のロガーノを追いました。

 終盤は、もう一台のフォードが上がってきたことで、2台のフォードを3台のトヨタ・カムリが追う5台での接近戦に。

 最後はロガーノとトゥルーエクス・Jr.が接触しながらの首位争いとなり、ファイナルラップ、サイド・バイ・サイドで最終コーナーに入った2台は接触。どちらも譲らず押し合うような形になったままフィニッシュラインへ。ややバランスを崩したトゥルーエクス・Jr.が遅れ、ロガーノがトップ、インからこれをかわそうとしたハムリンが2位、トゥルーエクス・Jr.は3位、カイル・ブッシュが4位でチェッカーを受けました。

 カイル・ブッシュ、トゥルーエクス・Jr.ともにトップ5フィニッシュ、ステージポイントも稼いだレースとなりましたが、プレーオフドライバーのロガーノが勝利を挙げたことで、最終戦出場の椅子はひとつロガーノに決定。現在ランキング2位のカイル・ブッシュは脱落ラインから45ポイント、トゥルーエクス・Jr.は25ポイント差での3位タイにつけ、後2戦で最終戦出場の権利を争います。

 次戦第34戦は11月4日(日)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われます。

マーティン・トゥルーエクス・Jr.

「今日の我々のトヨタ・カムリは最高の仕上がりで、我々にとってのマーティンズビル、そしてショートトラックでの初勝利に向けてやるべきことは全てやりました。チーム、クルーを本当に誇りに思います。本当に勝ちたかったですし、勝てると感じていたのですが、勝利には惜しくも届きませんでした」

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第20戦 Texas Roadhouse 200
開催日:10月27日

ブレット・モフィットが2位

トヨタ勢は若手5台がトップ10フィニッシュ

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第20戦『Texas Roadhouse 200』が10月27日(土)にマーティンズビル・スピードウェイで開催されました。
 
 トラック・シリーズもプレーオフは残り4戦に。現在6名がプレーオフに生き残っており、ここからの3戦で下位2名が脱落。4名が最終戦ホームステッドでの戦いに挑みます。トヨタ勢ではブレット・モフィットとノア・グラッグソンがこの6名に残っています。

 26日(金)は雨に見舞われたため、2回予定されていた練習走行はキャンセルに。27日(土)、決勝直前の午前10時より、ぶっつけ本番での予選が行われ、18歳のトッド・ギリランドが同シリーズでの自身キャリア初となるポールポジションを獲得。チームメイトの18歳ハリソン・バートンが2番手、昨年秋のマーティンズビル戦を制したプレーオフドライバーの20歳グラッグソンが3番手につけ、カイル・ブッシュ・モータースポーツの若手が予選トップ3を独占。モフィットは17番手とやや出遅れるスタートとなりました。

追い上げ2位フィニッシュを果たしたブレット・モフィット(#16)とトラック・シリーズ3戦目ながら2度目のトップ10フィニッシュを果たした17歳、クリスチャン・イクス(#46)

 
 予選の後、午後1時10分に0.526マイルショートオーバルを50周、50周、100周の3ステージ合計200周(105.2マイル:約170km)して競われる決勝レースがスタート。ステージ前半はギリランドが首位を快走しました。

 終盤にイエローコーションが出され、ギリランドとハリソン・バートンはピットへ。コース上に残ったグラッグソンがステージ1を2位で終え、貴重な9ポイントを獲得しました。

 ステージ2もグラッグソンは2位のポジションをキープし、ふたたび9ポイントを追加。17番手スタートから徐々にポジションを上げてきたモフィットもステージ2ではトップ10入りを果たし、9位で2ポイントを獲得しました。

 ステージ3では、再スタート前のコーションでハンドリングの調整を行ったことでややポジションを落とし8位で再スタート。しかしこの調整は効を奏せず、グラッグソンは10位前後を走行することに。一方でモフィットはポジションを挙げトップ争いに加わりました。

 160周目、この日3度目のイエローコーションからの再スタートで3位に浮上したモフィットは、残り20周で2位へ。さらに首位を追いましたが惜しくも届かず、2位でフィニッシュ。トラック・シリーズ2戦目の20歳、カイル・ベンジャミンが5位、グラッグソンが7位。ハリソン・バートンが8位、シリーズ3戦目の17歳、クリスチャン・イクスが9位でチェッカーを受け、トヨタ・タンドラは若手の5台がトップ10フィニシュを果たしました。

 次戦第21戦は11月2日(金)にテキサス・モーター・スピードウェイで開催されます。

ブレット・モフィット

「スタートポジションを考えれば、とても良い結果だと思います。ここに来た時のトヨタ・タンドラの状態はベストとは言えず、ぶっつけ本番だった予選も同様でしたが、最後には良い状況まで改善できました。狙っていたステージポイントが稼げなかったのが残念ですが、なんとか2位でフィニッシュできて良かったです」

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