東京特殊電線、熱伝導性高い銅箔両面基板を開発

 東京特殊電線は11日、熱伝導性の高い銅箔両面基板を開発したと発表した。ペルチェ素子サーモ・モジュールの長寿命化につなげる。

 ペルチェ素子サーモ・モジュールは光通信用レーザーダイオードや半導体製造装置、DNA分析機器、自動車シートなどの用途に使用される。フロンなどの環境負荷物質を使わず、ファンのような振動もなく軽量・小型で精密な温度調整が可能といった点が特徴。同社によると従来はセラミック基板が使われているが、基板の電極とペルチェ素子のはんだ接合部においてペルチェ素子の加熱・冷却の繰り返しによる熱疲労でクラックが入りやすいという欠点があった。

 このほど開発した銅箔両面基板は、2枚の銅箔の間に柔軟性の高い樹脂絶縁層を備えることで接合部にかかる熱応力を緩和し、クラックの発生を防止。モジュールの長寿命化に貢献するとしている。また、厚銅箔を採用していることからペルチェ素子サーモ・モジュール以外の大電流用基板としても使用できるという。

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