宮市のザンクト・パウリ、今こそ見るべき「ROCKなユニフォーム」

第17節グロイター・フュルト戦を2-0で勝利して、現在リーグ4位と好位置につけているザンクト・パウリ。この試合では宮市亮が88分に今季2点目を挙げている。

ザンクト・パウリは、日本では「風変わりなユニフォーム」や「ドクロのチームグッズ」で知名度が先行した側面があるが、昨今はブンデスリーガ2部の試合も手軽に見られるようになり、やっと実像がそれらの人気に追い付いた印象だ。

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世界的にカルトな人気を誇るこのPUNKなチームには、これまで色々なデザインのユニフォームが登場した。ここではザンクト・パウリの「ちょっと尖がった」キットを中心に、過去のモデルをご紹介しよう。

1999-2000(Puma)

ユニフォーム:ザンクト・パウリ/1999-2000/Puma/ホーム

99-00シーズンのホームキット。当時は2部リーグに所属していたザンクト・パウリだが、日本のユニフォームファンに注目された切っ掛けは、ウイスキーブランド「JACK DANIEL'S」の胸スポンサーだったと記憶している。

ユニフォーム:ザンクト・パウリ/1999-2000/Puma/アウェイ

ブラックのユニフォームだと、このブランドロゴが一層際立つ。ウイスキーのイメージにぴったりだ。

このシーズンを最後に「JACK DANIEL'S」との契約は終了する。その後は割と普通のキットデザインや胸スポンサーだったこともあり、ザンクト・パウリのユニフォームはいつしか忘れ去られた存在に。

2005-06(DYF)

ユニフォーム:ザンクト・パウリ/2005-06/DYF/ホーム

ザンクト・パウリが再び注目されたのは、3部リーグ時代の05-06シーズン当時。ローカルブランドのDYF(Do You Football)がサプライヤーになり、当時はほとんど存在しなかったカモフラ柄のキットに、一部のユニフォーム・ファンが着目する。

ネームナンバーはミリタリー的なステンシル書体。レアル・マドリーも使ったことがある格好良いフォントだ。

2006-07(DYF)

ユニフォーム:ザンクト・パウリ/2006-07/DYF/ホーム

ユニフォームは05-06シーズンから継続してカモフラ柄だが、このシーズンはさらに強いインパクトを放った。チームは3部リーグを優勝し、5シーズンぶりの2部昇格を決めている。

デザインはブラックのカモフラ柄。メタリックなエンブレムと極端に短い袖が異彩を放つ。

Rockすぎるネームナンバー!番号部分は何と生地の二枚重ね。個性的なフォントデザインは強烈な印象を残した。

2008-09(DYF)

ユニフォーム:ザンクト・パウリ/2008-09/DYF/ホーム

07-08シーズンからしばらくの間は、奇をてらったデザインではなく、ブラウンを基調とした「普遍的ながらデザイン性の高い」キットを着用した。水平のピンストライプをあしらった08-09モデルはシンプルで格好良い。パンツのデザインが独特だ。

キットのデザインは大人しくなっても、鋭く尖ったクラブの個性は、左腕のキャプテンマークに受け継がれた。

ネームナンバーのフォントデザインは、またしても独特のスタイルが登場。

2009-10(DYF)

ユニフォーム:ザンクト・パウリ/2009-10/DYF/ホーム

ルーマニアの自動車メーカー「DACIA」が胸スポンサーに。アウクスブルク、フォルトゥナ・デュッセルドルフとの自動昇格争いに勝利して、リーグを2位でフィニッシュ(優勝はカイザースラウテルン)。9シーズンぶりの1部昇格を決めた。

キットはクラシックなデザインで、胸にはレッド/ホワイトのストライプ。このスタイルは近年再び使われている。

2010-11(DYF)

ユニフォーム:ザンクト・パウリ/2010-11/DYF/ホーム

クラブ創設100周年という節目のシーズンを1部で戦った。しかし結果は最下位で2部降格が決定。だが、そんな“些細なこと”で見限るファンは、このクラブには存在しない。

ホームキットは光沢感のある生地が特徴。100周年記念シーズンということで、レプリカユニフォームはリヴァーシブル仕様だった。

このデザインが、リヴァーシブルのレプリカユニフォームでは“裏側”にあたるもの。クラブの歴史やサポーターをプリントしている。ハンブルガーSVとの「ハンブルク・ダービー」など、実際の試合でも着用した。

2013-14(DYF)

ユニフォーム:ザンクト・パウリ/2013-14/DYF/ホーム

12-13シーズンからメーカーロゴは新デザインが登場。それと連動するかのように、キットデザインも再び個性的なものに変わる。この13-14シーズンモデルは、何とサッシュ(たすき掛け)に。

胸のスポンサー「Relentless(コカ・コーラ社のエナジードリンク)」のロゴデザインも強烈なインパクト!

ユニフォーム:ザンクト・パウリ/2013-14/DYF/サード

サードキットはブラック一色で、ネームナンバーとメーカーロゴは血のようなレッド。そして、このスポンサーロゴ。ちょっと怖いデザインだった。

2015-16(Hummel)

ユニフォーム:ザンクト・パウリ/2014-15/Hummel/ホーム

14-15シーズンからキットサプライヤーはHummelへ変更。宮市亮が入団した15-16シーズンのキットは、ダークブラウンを基調に細かなグラフィックが特徴で、チームのイメージの良く合っているデザインだった。

胸スポンサー「Congstar(携帯電話会社)」は、08-09シーズン以来となる。

ネームナンバーのフォントは、再びワイルドで個性的なデザインに!

2016-17(Under Armour)

ユニフォーム:ザンクト・パウリ/2016-17/Under Armour/サード

クラブは新たにUnder Armourと契約。このシーズンのサードキットには、クラブの象徴であるTotenkopf(ドクロ)を大胆にプリントしているが、選手が着てしまうとよく見えない。

デザインはこんな感じ。Under Armourは1年目からサポーターや世界中のユニフォーム・ファンの心を掴むことに成功した。

宮市はこのシーズン、無得点に終わったものの、リーグ戦とカップ戦で合わせて19試合に出場している。

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