平成19(2007)年の主な出来事

平成19(2007)年

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 参院選惨敗後も政権にとどまっていた安倍晋三前首相が突然、職を投げ出し、赤福や船場吉兆などで食品偽装が次々と発覚。社会の中で「責任」「信用」が大きく揺らいだ一年だった。県内では、伊藤一長前長崎市長射殺や佐世保の散弾銃乱射といった世間を震撼(しんかん)させる事件が発生。「銃社会」にどう立ち向かうべきか、重い課題が突き付けられた。
 今年前半は政治とカネをめぐる疑惑や閣僚の失言が目立ち、安倍政権にじわじわとダメージを与えた。このうち当時防衛相だった自民党衆院議員の久間章生氏(長崎2区)の「原爆しょうがない」発言は被爆者らの猛反発に遭い、久間氏は防衛相辞任に追い込まれた。
 その直後の参院選。自民党が歴史的大敗を喫し、長崎選挙区では元国見高サッカー部総監督として抜群の知名度を誇る自民党新人の小嶺忠敏氏が、民主党新人の大久保潔重氏に敗れた。
 4月には、伊藤前長崎市長が市長選のさなかにJR長崎駅前の事務所で暴力団幹部に射殺されるという大事件が発生。今月14日に起きた佐世保市のスポーツクラブでの散弾銃乱射事件では二人が死亡、六人が重軽傷を負った。いずれも発生前に市民から“警告”となる情報が警察に寄せられており、対応が不適切だったとして問題になった。
 一方、長年の懸案だったカネミ油症被害者の救済問題や九州新幹線長崎ルートの着工は大きく前進。有明海の漁業被害が指摘された諫早湾干拓事業も完了した。原爆症の認定基準見直しや在外被爆者による健康手帳の海外申請実現も政治主導で進められている。きたる年に、抵抗する官僚の壁をどこまで打ち破ることができるか注目される。