3月14日に発表された日本代表で、中島翔哉、小林祐希、安西幸輝、畠中槙之輔と4名のアカデミー出身選手が名を連ねた東京ヴェルディ。
日本サッカーきっての名門クラブは昨年惜しくも昇格を逃し今シーズンもJ2を戦っているが、そうしたなかでも相変わらず次々とタレントを送り出している。
そこで、近い将来日本代表に招集されそうなヴェルディ出身選手を6名ピックアップしてみた。
前田直輝
名古屋グランパス所属
1994年11月17日生まれ(24歳)
ポジション:FW、MF
筆頭候補は何と言っても前田直輝だろう。
ボールスキルに長けた左利きのドリブラーは、東京ヴェルディのアカデミーで中島翔哉と同期。中島同様、高校3年生だった2012年にJデビューを果たしている。
ヴェルディ時代は有望株の一人という印象だったが、松本山雅FCと横浜F・マリノスで実績を積み、2018年夏に加入した名古屋グランパスでブレイク。
スルリと抜けるドリブルだけでなくジョーとの相性の良さ、さらには高い決定力を見せつけ、18試合の出場で7ゴールをたたき出した。
選手層が厚くなった今シーズンは激しいポジション争いの渦中にあるが、その環境がまた日本代表との距離を縮めてくれるに違いない。
吉野恭平
サンフレッチェ広島所属
1994年11月8日生まれ(24歳)
ポジション:DF、MF
ヴェルディといえば足元の技術に秀でた攻撃的な選手を輩出することで知られるが、吉野恭平は守備のスペシャリストといって良い存在だろう。
182cmの長身ながらボールへの素早いアプローチと奪取力、さらにビルドアップ能力に優れ、センターバックとボランチを遜色ないレベルでこなすことができる。
そんな24歳は中学生の頃まで地元の宮城でプレーし、高校進学の時にヴェルディのユースへ。この時の同期が中島翔哉、前田直輝らでこの世代は「黄金世代」とも呼ばれた。
2013年にトップへ昇格し、わずか1年半でサンフレッチェ広島へ(※当時の指揮官は森保一監督)。広島では昨年、守備の番人として「クローザー」的な役割を担い、今季は開幕から先発を任されている。
神谷優太
愛媛FC所属(※湘南ベルマーレから期限付き移籍)
1997年4月24日生まれ(21歳)
ポジション:MF
各年代の日本代表に選ばれ、東京五輪でもメンバー入りが期待される神谷優太。
小学生の頃から東京ヴェルディに所属していた彼は、高校2年の夏に青森山田高へ“移籍”した。「Jユースから高校への転校」という新しい潮流を作った一人といえるだろう。
卒業後、2016年に加入した湘南ベルマーレではあまり出番を得られなかったものの、レンタル先の愛媛FCでは「10番」を与えられ、昨年は30試合7ゴールという結果を残している。
調子の波はあるがドリブル、パス、シュートと三拍子揃っており、プレースキックの技術にも優れる。ボランチでのプレーも可能なことから、近い将来、柴崎岳のポジションを脅かすことになるかもしれない。
井上潮音
東京ヴェルディ所属
1997年8月3日生まれ(21歳)
ポジション:MF
2016年のプロデビュー初年度からインパクトを残したプレーメーカー。
ボールを動かす技術と判断力は世代屈指。まさに天才肌の選手で、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(当時)から「我々にとってのメッシだ」と評されたこともある。
ただ、どちらかというと自分の感性に依るタイプであるためか、ロティーナ体制下では期待されたパフォーマンスをなかなか出せなかった。
ギャリー・ホワイト監督が就任した今シーズン、ボランチとしての強みを増やし、東京五輪メンバーに改めて食い込んでいきたいところだ。
渡辺皓太
東京ヴェルディ所属
1998年10月18日生まれ(20歳)
ポジション:MF
渡辺皓太は、ロティーナ監督のもとで飛躍した選手の一人だ。
ヴェルディ育ちらしい技術の高さはもちろん、小柄だが当たり負けしない体幹の強さとアジリティを併せ持つMF。
相手の間でボールを受けることを怖がらず、前を向いてさらに自分で仕掛けていくことができるほか、守備でもインテンシティの高いプレーを持ち味としている。
19歳で出場した昨年のアジア大会では、特に全体が連携不足で苦しんでいた序盤、攻守で存在感を発揮しU-21代表チームを牽引。準優勝に貢献した。
この冬、J1クラブへの移籍が噂されたが最終的にヴェルディ残留を決断している。
藤本寛也
東京ヴェルディ所属
1999年7月1日生まれ(19歳)
ポジション:MF
最後はヴェルディ・アカデミーの“最新作” 、藤本寛也。名前は「かんや」と読む。
彼もまたロティーナに才能を見出された選手で、トップ昇格1年目の2018シーズンから25試合に出場、3ゴールを記録した。
攻撃面での高い技術と多彩なビジョンを持ち、チャンスを作り出すだけでなく自ら試合を決められる強烈かつ正確な左足も備える。ヴェルディの先輩では小林祐希に近いだろうか。
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各年代の日本代表に名を連ねており、昨年のAFC U-19選手権でもワールドカップ出場権獲得に貢献。今年のU-20ワールドカップで活躍が期待されている。
ちなみに、代表ではボランチ、クラブでは一列前の攻撃的なポジションで起用されることが多い。今後どのような選手に成長していくか楽しみだ。