壱岐市長選 現職白川さん、決意新た 「全ての産業に全力」

おじぎをし、支持者に感謝の意を伝える白川さん(中央)=12日午後8時20分、壱岐市芦辺

 12日に投開票された壱岐市長選。現職の白川博一さん(69)が新人の森俊介さん(35)をわずかな差でかわし、一騎打ちを制した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、遊説を自粛した異例の選挙戦。「大変不安だった。皆さまのお力添えにただただ感謝です」-。当選を決めた白川さんが支持者をねぎらうと、芦辺町の集会施設は割れんばかりの拍手に包まれた。
 昨年12月。「(気候非常事態宣言など)新しい施策に道筋を立てる」と出馬を表明した。持続可能な開発目標(SDGs)の推進など3期12年の実績を武器に産業の振興などを訴え、手堅い組織戦を展開するはずだった。
 だが、市内では相次いで新型コロナウイルスの感染者を確認。職務代理者を立てず、公務に当たった。候補者“不在”の選挙戦に、支持者は焦りを募らせた。ふたを開けると相手候補との差は約330票。白川さんは「結果を真摯(しんし)に受け止める」と語り、表情を緩めなかった。
 コロナ禍は島内のあらゆる産業に影を落とす。感染予防や冷え込んだ島内経済への対応など、喫緊の課題が山積している。「全ての産業に全力、壱岐の未来に必死。これを実現する」。白川さんは声を張り上げ、決意を新たにした。

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