政治と学生の架け橋!学生部ってどんな人たち?~自民党編~

こんにちは、NO YOUTH NO JAPANです!私たちは、U30世代の投票率を上げることを目指して、昨年7月の参院選でインスタグラムを中心にU30世代へ投票を呼びかけたことから活動を始めた団体です。

私たちが考える若者の政治参加の方法は、投票に行くことだけではありません。若者の政治参加の役割を担う組織の1つとして、政党の学生部があります。日本ではあまり聞き馴染みのない政党の学生部ですが、

「いったい何をしているのか?」
「どんな人が活動をしているのか?」
「若者の政治参加についてどう考えているのか?」

など、知られざる学生部の謎を紐解いていきます。政治家と若者の間に立っている存在とも言える彼らは、私たちとはまた違う新しい角度から政治参加について考えていました。

今回は自由民主党埼玉県支部連合会青年局学生部に所属する矢島さん(高校3年生)多田大樹(仮名)さん(大学院生)の二人に話を聞いていきます。(編集部注:学年はインタビュー時点。なお本インタビューは新型コロナウイルス流行前に行っております)

インタビュアー:NO YOUTH NO JAPANメンバー 田中舞子、石井萌 / 選挙ドットコム編集部

中央:自民党埼玉県連学生部 矢島さん 左・右:NO YOUTH NO JAPANメンバー

自由民主党埼玉県支部連合会の青年局学生部に現在所属している学生は4人。高校生が2人、大学生が1人、大学院生が1人です。今回は、高校生ながらも積極的に政治参加を行っている矢島さんと多田さん(仮名)にインタビューを行いました。

政党学生部インタビュー【共産党編】>>

政党学生部インタビュー【日本維新の会編】>>

学生部の活動って部活みたい?

NO YOUTH NO JAPAN 田中(以下、田中):学生部って正直あまり聞き馴染みがないのですが、どのような活動をしているんですか?
自民党埼玉県連学生部 矢島さん(以下、矢島):学生部は全国およそ40都道府県各地に設置されています。活動内容は、地区によって異なるのですが、埼玉県支部連合会の青年局学生部では、月に1回定例会を開き学生部が集まり様々な問題について討論しています。年に1回から2回は自民党本部の青年局の街頭活動に参加しています。去年は憲法改正がテーマで、自民党の国会議員や県議会議員とともに学生部も街頭活動を行いました。夏はバーベキューをするなどのアクティビティも行います。
田中:部活みたいな感じなんですね!
矢島:そうですね

参加したきっかけは電車で偶然会った政治家!

田中:学生部に参加したきっかけは何でしたか?
矢島元々、政治家を志していたということもあるのですが、中学3年生の時に電車に乗っていた際に、当時活動していた今井絵里子議員と当時自民党の青年局長であった田村たくみ県議会議員に声をかけていただいたことが直接のきっかけです。
自民党埼玉県連学生部 多田さん(以下、多田):中学生の頃からなんとなく政治の世界に興味があり、大学進学時に埼玉県連学生部の存在を知り、活動に参加しました。
田中:電車で声をかけられる!そんなことがあるのか〜なぜ声をかけられたのですか?
矢島:はっきりとは覚えていないのですが、拉致被害者の会のバッジをつけていて、それで声をかけられたんだと思います。

田中:政治家になりたいと思ったのはいつ頃からですか?
矢島:小学生ぐらいですね。きっかけは東日本大震災で当時の民主党政権に対し疑問が生まれて、このままでいいのかと考えるようになり、政治家を志しました。

矢島さん

田中:学生部に入ってよかったこと、またはマイナスに思ったことはありますか?
矢島:学生部の活動の基本は定例会ですが私は様々な議員の先生にお願いをして県議会や永田町にお手伝いに行くことがあります。普段の学生生活で行くことのできない所に行けたり沢山の議員の先生と交流できる所が入って良かったと感じます。

田中:政治に関わる方法として、マスコミなど政治家以外の道もあると思うのですが、なぜ政治家として政治に関わろうと考えたのですか?
矢島:幼い頃から歴史が好きだったことも関係して保守的な考えがあった上、マスコミに対しても疑問があったので政治家を選びました。
田中:保守意識があったから自民党の学生部に?
矢島:そうですね。いくつか政党がある中で自民党は保守的で自分の思想が似ているので選びました。当時、学生部がある政党が少なかったことも自民党を選んだ理由です。
多田:矢島さんと同じで人脈が広がったということは、確実にプラスだと思います。また、社会で起こる問題を考えるきっかけにもなりました。一方で、自身の生活の上で学生部の活動について堂々と話すことができないのは、マイナスに感じることです。就活に影響がないかも心配です。

普段はどんな学生生活を送っているの?

田中:お二人は普段はどんな学生生活を送っているんですか?。
矢島:普通の学生ですね(笑)一般的な学生と変わらないです。
多田:私も普通の学生と同じようにサークル活動に参加したり、バイトしたりしています。

田中:矢島さんの幼い頃から保守意識があったというのは、家族の影響などはあったのですか?また、学生部の活動のことを2人の家族の方はどのように思っていらっしゃいますか?
矢島:親戚に市議会議員がいるうえ、曽祖父も町議会議員だったこともあり政治は身近にありました。また、幼い頃から子供向けの番組ではなくニュースを見ていたので、政治への関心は高かったです。どちらかというと両親は政治に関心がなかったため、自分で情報を集め政治家を目指すようになりました。家族は、(矢島さんの)好きなようにと言ってくれています。
多田:元々好き勝手にさせてもらっていたので、理解があるのか今でもわかりません(笑)

田中:将来は「こんな政治家になりたい」「こんな政策をやりたい」などイメージしている矢島さんの政治家像はありますか?
矢島:やはり憲法改正を一番に考えています。この現状で、海外からの武力侵略に耐えられるのかということは懸念しています。地方過疎化の問題についても取り組みたいですね。

政治の世界の若者からみた「政治家」のイメージ

田中:NO YOUTH NO JAPANがターゲットにしている政治に興味のない若者たちは、政治家に対して“固いおじさん”など、自分とは縁遠いイメージを持っている方が多いです。学生として、実際に議員さんと活動している矢島さんは、政治家に対してどのようなイメージを持っていますか?
矢島:青年局に所属しているため、主に比較的若い、30-40代の議員の先生との交流が多いです。そのため、親しみやすいという印象を持っています。一般の方が抱く政治家の印象も理解できるので、段階的に被選挙権を引き下げを行い、若い議員を増やしていければな、と思います。

田中:今の政治に関して変えたいことはありますか?
多田:政治に興味がない人が増えることで少数の人により物事が決められていく状況が、国単位でも地方においても起こっています。こうした状況を少しでも変えたいという思いはあります。
田中:2人にとって「政治」はどんなものですか?
矢島:政治は国を守り、国民を守るものだと思っています。
多田:社会を考えるきっかけだと思います。

政治家と触れ合ってみたら意外とフレンドリー

田中:NO YOUTH NO JAPANは、若者の投票率をあげることを目標にしながらも、投票だけが政治参加ではないと考えています。若者の政治参加を活発化するためはどうしたらいいのでしょう?
矢島:核家族化が進み地域のイベントに参加する若者が少なくなっています。地域のイベントに参加すれば市議なり県議なり国会議員の先生がいると思いますので、地域のイベントに参加して議員の先生と交流すれば政治に対する興味や政治参加への意欲が湧くと思います。

多田:今の経済状況、環境等にほとんど不満を感じることがないために、政治に関心をもつ人が少ないのだと思っています。若者が政治に興味を持つことは大切だと思いますが、学生部での経験などからそれが非常に難しいということもわかりました。
石井:周りの友人と政治について話す機会はありますか?
矢島:結構少ないです。しかし、選挙の際には候補について聞かれることや、ニュースで報道されていることについて尋ねられることはあります。
田中:周りの友人も政治に興味のある方が多いのですか?
矢島:政治に興味のない人が多いですね。

田中:実際に学生部に所属してみて、自分が想像していた政治の世界と異なる点などはありましたか?
矢島逆に想像していた通りでした。想像通りではない点としては、議員の先生が意外とフレンドリーということです。
多田:政治の世界を間近で見ることができ、政治の世界がいい意味でも悪い意味でも、想像以上に厳しい世界だということを学びました。
田中:政治って固いよな、と感じている人たちに対して、政治の面白さを伝えるとしたら、どのように伝えますか?
矢島:例えば学生なら奨学金問題など、身近なところから政治に関心を持っていただけるといいのではと思っています。

編集部:若者と政治の間には距離があると思うのですが、それはどっちが歩み寄るべきなのでしょうか?それともどちらも歩みよるべき?
矢島:議員としては若い方と交流したいというのはあると思います。大阪の議員で、月に1回地元の若者を議員会館に集めて、何十人かでディスカッションを行っている方もいます。議員として交流をしてもその活動が届いてない、自身の周りで活動がとまってしまうという事実はあると思います。

田中:最後に、これから新学期を迎える学生の方に一言お願いします!
矢島:学生部に入ると、議員との交流ができるため考えや人生の選択肢の幅が増えると思います。何より、もっと政治に興味を持ってほしいです。若いうちから政治に興味を持たずに、高齢者になると介護問題や年金問題など自身のことしか第一に考えないと思います。若いうちから政治に興味を持つことにより、若者世代の意見も反映させられると思います。
多田政治的な活動に参加すると失うものもありますが、それ以上に得るものがあると思います。政治の世界を実際に目で見て考えるという経験は、かけがいのないものです。なんとなく政治に興味がある人も、ない人も人生を変えるきっかけのひとつだと思ってチャレンジしてみてください。

田中:なるほど…今日はありがとうございました!

学生部の学生から見た政治⇔世の中の若者の政治イメージ

多くの方が政治家に対して堅苦しいなどのイメージを持っている一方で、政治家の近くで活動をしている矢島さんはフレンドリーという真逆の印象を持っているということは、政治と若者の距離にも通じるようなギャップが垣間見れたと思います。元々政治に興味があり、学生部に参加した矢島さんですが、普段の生活は他の学生と変わりません。議員と交流する機会がない若者でも、学生部に所属することにより普段の生活では体験できない機会に恵まれるでしょう。学生部に所属することで政治参加のきっかけ、他の若者への政治関心の普及に繋がると思いました。

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