自粛延長に風俗業界が悲鳴 行政からも社会からも見落とされたコンパニオンたちの地獄

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「あと1ヶ月だめなんですね!」

電話の向こうから同僚の落胆した声が聞こえました。6日までの自粛休業が明けて、7日から通常開店とは想像できませんでしたが、はかない望みを込めて再開を信じたかったコンパニオンも多かったでしょうから。

いくら風俗業にも自粛助成金を出すと言われても、身元を明かしてまで申請できるコンパニオンがどれだけいることか、とにかく厳しい自粛延長です。それでも自粛できる店は、日頃から繁盛し経済的な体力があるからで、問題にされるパチンコ店同様、維持費を考えると自粛もできない店舗も多く、コロナ騒ぎで姿を消す店も少なくはないでしょう。

今も吉原でもオープンしているソープも、そして建前休業でも闇営業している店だってあるのです。濃厚接触の恐怖を思えば、自粛できる店=繁盛店に在籍していることは、再開後の安心感もあり幸せかと思われます。

コンパニオンにも経済的基礎体力の格差は激しく、貯金をしている、もしくは貯金できるほど稼げている女性と、貯金出来ていない女性では休業中の精神状態にも大きな違いがあるはず。

コロナへの問題意識もまちまちで、「安全を確認できるまで休もう」と思う方、生活費のために「危険も承知でなんとか稼ぎたい」方、「貯金はあるが、将来を思うとそこに手をつけたくない」「別にコロナなんて関係ないから是が非でも稼ぎたい」と意識は様々ですね。

とにかく、自粛が続く限り収入はなく、さらにはコロナが収束するまでは、店が再開したところでさすがにお客様の来店も激減です。吉原だけでは稼げなくて、川崎ソープやデリヘルを副業に始める子もいるんです。

俗に言う「裏引き」。お店を通さずに個人的にお客様とラブホテルで密会し、お仕事もできますが、ここにも格差があって、人気嬢は良いお客様に恵まれていますから裏引きで容易にかせぎますが、かつかつのソープ嬢は裏引きで層の悪いお客様にディスカウントを迫られ自分の価値を下げてしまったり……。

とにかくお相手を選ばないと危険も伴います。先日話題になった岡村隆史さんの「可愛い子がいっぱい店、、」の発言もありましたが、本当の素人さんが簡単に入店して数ヵ月で稼げるほど甘くはありませんよ。

稼ぐためには若さや容姿だけではなくて、それなりと言うか、かなりのスキル、接客術が必要ですし、リスクも多いでしょ。

人に知られたら、性病になったら、妊娠したら、その上、今はコロナです。素人さんが収入がないときに、精神的にも弱っていたらどうでしょうね、そんなにリスキーなところに来ても良いことはないでしょうから。

吉原、店舗を構えるソープ業界も今は忍耐の時、店もコンパニオンもギリギリのところで延長の1ヶ月近くを、なんとか乗り越えなくてはですね! 私も他人事ではないのですが。(文◎久世素子 吉原某店勤務中)

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