「寿し常」運営会社の(株)豊田が破産へ、東京一番フーズ子会社の下で営業継続

 (株)豊田(TSR企業コード:291618758、法人番号:2013301008881、豊島区北大塚2-6-10、設立1964(昭和39)年7月、資本金1000万円、豊田純司社長)と関連の益子食品(株)(TSR企業コード:291773737、法人番号:2013301011332、戸田市笹目6-7-19、登記上:豊島区北大塚2-6-10、設立1979(昭和54)年4月23日、資本金1500万円、同社長)は6月1日、事業を停止し、破産申請を石井健弁護士(東京丸の内法律事務所、千代田区丸の内3-3-1、電話03-3213-1081)に一任した。
 負債は豊田が債権者約150名に対して約30億円、益子食品が約120名に対して約14億円、2社の負債合計約44億円。

 豊田は、首都圏に展開する寿司店チェーン「寿し常グループ」を約40店舗運営していた。回転寿司やテイクアウト専門などの多店舗展開を行い、ピーク時の2003年6月期 には売上高約61億円をあげていた。
 しかし、競合他社との競争激化や、消費増税による売上減が収益を圧迫したことに加え、2020年に入り、新型コロナウイルスによる影響で業況が悪化。緊急事態宣言の発令に伴うショッピングセンターの休業で主要店舗が閉店を余儀なくされ、売上が固定費を大幅に下回り、急激に資金繰りが悪化した。
 こうしたなかスポンサーを模索し、東証1部上場で飲食店をチェーン展開する(株)東京一番フーズ(TSR企業コード:295284730、法人番号:4011101033768、新宿区)の連結子会社に一部店舗と従業員を承継し、それ以外の事業を停止した。
 益子食品は鮮魚加工、総菜製造事業を行う関係会社で、豊田の信用力を背景とした資金繰り維持の見通しがつかなくなり、豊田に連鎖した。

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