コロナ影響 観光損失280億円 1~4月、県試算

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観光動向調査(2020年1~3月期)、各交通機関の減便と利用者の増減、クルーズ船の状況

 新型コロナウイルス感染症の影響で今年1~4月に長崎県内の宿泊、観光施設の利用者が大幅に減少し、経済損失額が約280億円に上ることが2日、県の試算で明らかになった。この試算にはクルーズ船のキャンセルなどによる観光消費額の減少は含まれておらず、実態はさらに膨らむとみられる。県観光振興課は「非常に厳しい数字。県や国の誘客キャンペーンなどで支援し、年内には平年並みに戻したい」としている。
 県が同日公表した1~3月期の観光動向調査によると、178の主要宿泊施設の延べ宿泊者は前年同期比27.0%減の92万4千人。26の主要観光施設の延べ利用者は同30.5%減の86万2千人で、いずれも調査を開始した2007年以降、最大の下げ幅となった。
 宿泊者については4月分の速報値も公表。前年同月比で80%近く減少する見通し。1~3月期の観光動向調査と併せて試算し、経済損失額は280億円に上るという。
 地域別の1~3月の宿泊者数は、長崎・西彼が長崎ランタンフェスティバルの観光客の減少などで前年同期比23.9%減。対馬は韓国人観光客が落ち込み同59.4%減。佐世保・西海・東彼・北松もハウステンボス休園などで同36.9%減となるなど、県内全域でマイナスとなった。
 観光施設別の利用者はグラバー園(長崎市)が同40.2%減の12万4千人、九十九島パールシーリゾート(佐世保市)が同40.5%減の8万5千人。一方、企画展が好評だった県美術館は同32.6%増の11万人だった。
 県内寄港のクルーズ船は今年1年で444隻を見込んでいたが、1月下旬からキャンセルが相次ぎ、5月27日時点で183隻が取り消し。長崎空港発着の国際定期便の運休は、上海線が2月上旬~6月29日の124便、香港線が2月中旬~6月18日の96便。県国際観光振興室の試算では、クルーズ船のキャンセルで109億8千万円、国際定期便2便の運休で6億5千万円の損失を見込んでいる。
 このほか、4月の公共交通機関の利用者も大幅減。県内と国内主要都市を結ぶ航空便は前年同月比89%、県本土と離島などをつなぐ海上航路は同77%、県内と九州各地などの間を走る高速バスは同86%、とそれぞれ減少した。