温泉街「満室」明かり戻る 県宿泊助成後、初の週末

休業ホテル目立つ地域も

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宿泊費助成キャンペーン初の週末。新型コロナウイルスの感染拡大以降、久しぶりに小浜温泉街に明かりが戻った=雲仙市小浜町

 新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受ける観光業界支援のため、長崎県が実施している県民対象の県内宿泊費助成キャンペーン(1人当たり5千円)開始後、最初の週末となった6日、雲仙市の温泉街などで多くの県民が宿泊し、久しぶりに旅館ホテルに明かりが戻った。一方、各地には休業中のホテルも目立ち、キャンペーンの効果はまだ全県的な広がりを見せていない。

 雲仙市の雲仙温泉街では旅館ホテルの6割弱、小浜温泉街ではほぼ全館が営業し、多くが県内客などで“満室”だった。小浜温泉旅館組合の本多伸吉組合長(50)が営む旅館福徳屋は、館内での密接を避けるため全客室のうち半分だけ稼働。この日は宿泊できる全客室が埋まり、うち6割を県内客が占めたという。本多組合長は「県民向け補助は期待以上に好評。(国からの)10万円の給付金の効果も出ていると思う」と手応えを感じている。
 佐世保市では、県民の宿泊費の半額(1人当たり上限5千円)を助成する独自のキャンペーンを展開。九十九島遊覧船の乗り場近くにある「九十九島シーサイドテラスホテル&スパ花みずき」は満室になった。家族3人で訪れた長崎市の会社員、井上誠介さん(31)は「(県と佐世保市の)ダブルの助成で宿泊費は1人3千円に収まった。浮いたお金も使って楽しみたい」と笑顔で話していた。
 一方、長崎市内では現在も休業を続けるホテルが目立つ。「県の施策はありがたいが、まだお客が来ると思わない。少ないパイを取り合っても効果がない。休むホテルと再開するホテルを分けて集客した方が効果が出るのではないか」と、ホテル関係者は指摘する。
 平戸市内のホテルは夏に向けて「県の施策があっても手応えがない状況だが、前向きに営業していくしかない」と言う。別の施設によると、営業自体を批判、非難し「市内で感染者が出てしまったらどうするのか」といったクレームがあるという。
 長崎市では、4月10日から休止していた軍艦島クルーズが再開した。やまさ海運が5日から1日1便、定員220人を半減して運航。乗客は初日が32人、6日は15人で県内在住者がほとんどだった。伊達昌宏社長は「採算は取れないが、始めないと前に進めない。まずは地元の方に安心して楽しんでもらえる態勢を整えたい」と話した。乗船前に検温や連絡先記入を求め、誘導する乗組員はフェースガードと手袋を着用するなど安全対策に努めている。

ソーシャルディスタンスを取って見学する上陸客。誘導する乗組員(右手前)はフェースガードを着用していた=長崎市、端島(軍艦島)