三菱重工幸町工場跡地周辺 都市計画 見直しへ 定例長崎市議会

都市計画の見直し位置図

 定例長崎市議会は4日、総務、教育厚生、環境経済、建設水道の4常任委員会を続行した。建設水道委で市は、通販大手ジャパネットホールディングス(佐世保市)が「長崎スタジアムシティプロジェクト」を進める三菱重工業幸町工場跡地(長崎市幸町)周辺の区画について、都市計画を見直す考えを示した。

 見直すのは、幸町工場跡地や市中部下水処理場、宝町公園などを含む約17ヘクタール。市は都市計画で、市中心部の市街地などを12種の用途地域に分けているが、かつて工場地帯だった同区画はいずれも「工業地域」「準工業地域」に分類。同プロジェクトで計画されているサッカースタジアムや商業施設、アリーナ、ホテルなどは立地できなかった。
 市は土地利用の転換を図り、賑(にぎ)わいの創出につなげるため、この区画の分類をいずれも「商業地域」に変更したい考え。今後は住民への説明や審議会での議決を経て、正式に見直す。これに伴いスタジアムなどの立地が正式に可能になる。
 区画の中でも、老朽化で2024年3月に廃止される市中部下水処理場がある約2.8ヘクタールの市有地は、市内でも貴重な平地。市は今後の処理場の跡地活用については「白紙状態」としているものの、委員からは同プロジェクトと一体となった活用を求める意見が上がった。
 同プロジェクトでは、ジャパネットが長崎ロープウェイをスタジアムまで延伸することを検討。環境経済委で市は、稲佐山山頂と淵神社(淵町)を結ぶロープウェイの延伸可能性についての調査結果を報告した。
 調査は昨年9月から半年かけて実施。四つの延伸先候補のうち、住宅密集地を避けることができ、交通アクセスの良いスタジアム敷地内までの案が「最適」とされた。市は結果を踏まえ、延伸した場合の経済効果の調査や三菱重工、ジャパネット側との協議などを進め、延伸の是非を判断していく方針。

 


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