諫早・轟峡遊歩道崩落 再発防止へ検討委初会合 ボーリング調査など審議 委員ら現場視察

遊歩道が崩落した現場を調査する専門家ら=諫早市高来町、轟峡(市提供)

 諫早市高来町の轟(とどろき)峡遊歩道崩落事故の原因を調査する市の諮問機関「令和2年7月豪雨に伴う轟峡法面(のりめん)崩壊等再発防止検討委員会」が24日、市内で初会合を開いた。市によると、ボーリング調査や地下水位の観測、土の強度などを調べる地質調査の実施計画を審議した。
 事故は7月25日、轟の滝に向かう遊歩道が崩落し、母子2人が死亡し、1人が重傷を負った。滝に近い観測地点の雨量は7月だけで約1400ミリに達していた。
 検討委は地盤などの専門家3人、国土交通省長崎河川国道事務所と県県央振興局職員の5人で構成。蒋宇静(じゃんいじん)・長崎大大学院工学研究科教授(地盤工学)が委員長を務める。
 初会合に先立ち、委員と市職員ら13人が約1時間、崩落現場近くを視察。蒋教授は視察後、「安山岩と軟らかい土が混在し、水がたまりやすい地質とみられる」と述べた。
 宮本明雄市長は初会合で、再発防止に向けた原因究明と災害箇所の対策方法、施設管理の在り方に関する提言とりまとめを同検討委に諮問。その後、非公開で市側が災害状況や今後の調査計画を説明した。
 市によると、年内をめどに提言の提出を予定しているが、調査の状況次第で遅れる可能性もある。轟峡一帯の閉鎖は当面、継続する。

 


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