「新型コロナウイルス」関連破たん状況【9月28日14:00 現在】

 9月28日は14時時点で、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が7件(倒産6件、弁護士一任・準備中1件)判明し、2月からの累計は全国で526件(倒産468件、弁護士一任・準備中58件)に達した。月別では、6月に単月最多の103件発生。その後、7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが9月は28日までに85件が発生し、単月最多の6月に迫る勢い。

 なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満のコロナ関連の小規模倒産は累計25件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計551件に達した。

 コロナ関連破たんは9月に入って再び増勢基調が鮮明になっている。

 政府や自治体の各種支援策などに依存し、経営を維持している企業は少なくないが、環境悪化が長引き、ここにきて資金繰り支援効果が薄まっている点が懸念される。コロナ前の売上水準に回復するには時間が必要で、新たな支援策がない場合、脱落がさらに加速する可能性もある。

【都道府県別】(負債1,000万円以上) ~ 10件以上は16都道府県~

 9月1日、高知県で初のコロナ関連破たんが発生し、全都道府県に広がった。
 都道府県別では、東京都が130件(倒産122件、準備中8件)で、全体の4分の1(構成比24.7%)と突出している。以下、大阪府が54件(倒産46件、準備中8件)、北海道27件(倒産27件)、愛知県25件(倒産24件、準備中1件)と続き、10件以上の発生は全国で16都道府県。
 28日は東京都のヘアケア用品企画販売会社が破産した。主要取引先の倒産で焦付が発生し、資金繰りが悪化していた。さらに「新型コロナウイルス」の感染拡大で先行きの見通しが立たず、事業を停止した。

【業種別】 (負債1,000万円以上) ~ 飲食業が79件で最多、アパレル関連59件、宿泊業47件 ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が79件で最多。次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が59件、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が47件で、この3業種が突出し続けている。このほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が30件に達し、飲食業界全体での需要低迷が広がり始めている。

【負債額】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産468件のなかで負債額が判明した465件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で180件(構成比38.7%)。次に、1千万円以上5千万円未満125件(同26.8%)、5千万円以上1億円未満77件(同16.5%)、10億円以上44件(同9.4%)、5億円以上10億円未満39件(同8.3%)の順。
 負債1億円未満が202件(同43.4%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産も3件発生し、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。 

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した468件の形態別では、破産が414件(構成比88.4%)で最多。次いで、民事再生法が31件(同6.6%)、取引停止処分23件(同4.9%)だった。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。
 業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。

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‌         9月は再び増勢(負債1,000万円未満を含む)

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