コートなどのアウターは真冬のシーズンしか出番がなく、必然的に保管期間が長くなります。分厚くかさばりがちなアイテムのため、保管スペースの確保に頭を悩ませがちですが、ほんの少しの工夫でスッキリときれいに収納可能です。この記事では、手軽に購入できる100均アイテムを活用した方法をはじめ、大切なコートを美しく収納する方法を紹介します。
- オフシーズンのコートを収納する前に
- シーズン中のコート収納アイデア
オフシーズンのコートを収納する前に
冬にしか着ないコートは、そのままクローゼットに掛けて保管する人も多いと思いますが、収納方法によっては素材にダメージを与えてしまうことがあります。オフシーズンのコートを収納する前に、とくに確認すべき重要なポイントをふたつ解説します。
手持ちのアウターを見直してみる
収納スペースを圧迫しがちなアウター類は、収納方法を考えるより先に、「来年も着るのか」を検討しましょう。お気に入りのコートは着る機会も多いため、傷んでいることがあります。毛玉やほつれがないか、コートの状態を隅々までチェックしてください。袖部分は特に傷みが目立ちやすい箇所です。リペアして来年も着るのか、手放すか考えましょう。
コートをチェックしていると、来年はもう着ないコートも出てくるかもしれません。生地が薄くなっていたり、汚れがひどい場合は、「とりあえず置いておく」ではなく、思い切って処分しましょう。デザインが型遅れで、シーズン中もあまり着なかったコートは、来年になればさらに着なくなるでしょう。ただでさえ収納スペースを取るコートは、思い切って手放すことがスッキリ収納の第一歩です。
ワンシーズン着たコートはクリーニングに
シーズン中に活躍したコートは、目に見えない砂ぼこりや皮脂などが付着して汚れています。このような汚れが付着したまま収納すると、コートの変色や、ダニ、害虫の発生によって、次のシーズンに着られなくなることも。コートは家で洗濯できない素材が多いので、取扱表示を確認してからクリーニングに出しましょう。
コートは複数の素材を織って作られているものもありますが、クリーニング店ではしっかりと生地の種類を見極めて、そのコートに最適なクリーニングを施してくれます。高級ブランドのコートでなくても、少しでも長く愛用したい場合は、収納前のクリーニングを怠らないようにしましょう。
クリーニングから戻ってきたときのビニールは外す
クリーニング店からは、コートのサイズに合わせたビニールが掛けられて返却されます。これは、クリーニング店がコートを運搬する際にホコリや汚れがつかないようにする目的で掛けられています。ビニールは通気性がないため、かぶせたまま収納すると湿気が溜まったり、クリーニングで使用した薬剤のニオイがついたりして、コートにダメージを与えしまいます。ビニールは外して収納しましょう。
シーズンオフのコート収納アイデア
夏場のクローゼットの中は、気温や湿気で菌が繁殖しやすいため、コートへのダメージを避けることが重要です。ここからは、シーズンオフのコートにダメージを与えず、きれいに収納するアイデアを「吊るす方法」と「たたむ方法」の2パターンに分けて紹介します。
「吊るすもの」「たたむもの」に分別して省スペース化を
アウターは「吊るすもの」と「たたむもの」に分けると、スッキリ省スペースで収納できます。そうはいっても、素材をしっかり確認して、吊るして収納しなければならないコートと、たたんで収納しても良いコートの特性を見極めなければ、傷めてしまう原因になります。まずはアウター別に向いている収納方法を紹介するとともに、シワになりにくいコートのたたみ方について解説します。
吊るして保管した方が良いアウター
吊るして保管したほうがいいアウターは、ウール素材のコートや革コート、ファー付きのコートです。ウール素材は、弾力があって型くずれしにくく、シワにもなりにくいので、たたんで収納しても良さそうに思えますが、毛玉ができやすく、虫に食われやすい特徴もあるので、吊るして風通し良く収納するのに適したコートです。
革製のコートの場合は、一度シワになるときれいに伸ばすのが難しいので、吊るして保管してください。ファー付きのコートは、ファーの部分が型崩れしやすく、狭いところに保管するとファーがしぼんでしまう恐れがあります。吊るして保管するときも、ほかの衣類との間隔を十分に開けて吊るしましょう。
たたんで保管した方が良いアウター
たたんで保管すれば、かさばるコートも省スペースで収納できるので、より多くのコートを保管することができます。たたんで保管できるアウターは、シワになりにくい生地か比較的分厚めのものに限定されます。主に中綿が入っているダウンやニット類です。
たたむ前には、湿気が衣類に残らないよう、風通しの良いところに吊るして乾燥させてから、収納するようにしましょう。吊るす前に、除菌スプレーをかけておいてから乾燥させると、菌の繁殖を防ぎにおいも気になりません。
《参考》シワにならない、コートのたたみ方
コートをたたんで収納するときは、たたみ方にも気を配りましょう。シワにならないたたみ方のひとつに、フェイスタオルを使うアイデアがあります。1つのコートに1本のフェイスタオルを用意すれば、型崩れとシワを減らせます。
・収納するコートをある程度スペースのある場所できれいに広げ、コートのボタンを外してシワを伸ばします。
・シワがきれいに伸びたら、普段の服をたたむ要領で、両方の袖をコートの内側に折りたたみます。
・ここでコートを上下に二つ折りしますが、折り目となる胸部分にクッションとなるようフェイスタオルを挟みます。
たたみ終わったら、衣装ケースや棚にギュウギュウには詰めずに、ある程度余裕を持って収納してください。少しの工夫で、大切なコートのシワや型崩れを防げます。
コートをたたんで収納する方法
コートをたたむときに、タオルをクッションにして型崩れやシワを減らす方法を紹介しましたが、コートにダメージを与えないためにもうひと工夫する方法を解説します。
コート専用の収納ボックスに入れて保管する
たたんで収納するときに、もっとも簡単に保管する方法は、コート専用の収納ボックスを使う方法です。一般的な衣類の収納ケースはプラスチック製が一般的ですが、コート専用の収納ボックスは、不織布製のものが多く販売されています。不織布製は、通気性が良いので、コートを湿気やカビから防いでくれます。
不織布はやわらかい素材なので、四隅に芯があるカッチリしたタイプのものがおすすめです。収納ボックスの形が崩れなければ、中に収納しているコートの型崩れも防げます。さらに、透明の窓付きの収納ボックスなら、外からでも中身が確認できます。さらに、取っ手が付いていれば、押入れの天袋のような高い場所に収納しても取り出しやすく便利です。
収納ボックスのサイズも、さまざまな大きさがあるので、収納する量やコートの大きさによって適切なものを購入しましょう。家族別に収納したいときは、収納ボックスの色で分ける方法もあります。個々の色を決めてコートを収納しておけば、使用する際も迷わず取り出せます。
圧縮袋に入れてから収納する
圧縮袋に入れてから収納すると、かさばるコートをコンパクトに保管できます。圧縮袋を使うメリットとして、コンパクトになるほかにも、湿気やカビ、ダニの繁殖を防ぐ効果も挙げられます。圧縮袋を使う際の注意点は、圧縮ジワが残りやすい、型崩れしてしまう危険性があるということです。
空気を抜いて長期間圧縮すると、多少のシワや型崩れは避けられません。ダウンコートは、ふんわりしたフェザーが特徴の衣類ですが、圧縮した際にフェザー部分に含まれている空気も抜いてしまうので、フェザーが折れたりよれたりしてしまいます。一度折れたフェザーは、いくら空気を吸っても元には戻りません。
また、ファー付きのアウターを圧縮袋に入れるときは、必ずファー部分は外してから圧縮してください。ファーを入れたまま圧縮してしまうと、ファー部分がクシャクシャに型崩れして着られなくなってしまいます。ファーは圧縮せず、別で保管してください。
コートをハンガーに吊るして収納するときのポイント
コートをハンガーに吊るして収納するときも、少し工夫すればよりスッキリ、ダメージを防ぎながら保管できます。オフシーズンのコートは、長期間収納することになるので、ポイントを押さえて上手に収納しましょう。
衣類カバーをかぶせる
コートを長期間収納するときは、衣類カバーを掛けてからハンガーに吊るすと、ホコリから守ってきれいな状態を保てます。吊るして収納するコートの数が多いと、たくさんの衣類カバーが必要になりますが、100均でも購入できます。
ダイソーの光触媒衣類カバーは除菌と消臭の効果があるので、次のシーズンに着るときもニオイを気にせず着られます。ショートタイプとロングタイプ、2種類のサイズ展開で、コートの丈に合わせて選べます。とくにホコリが溜まりやすい、ウールやカシミヤ素材のコートには、必ず衣類カバーを掛けてから収納してください。
圧縮カバーをかぶせて幅を減らす
吊るして収納できるタイプの圧縮袋を使えば、分厚いコートもコンパクトに収納できます。湿気やカビも予防できるので、長期間の収納におすすめです。収納スペースがあまり取れない人やコートの数が多い人には重宝する収納アイテムです。ダウンのような羽製品を圧縮すると羽が折れてしまうこと、毛皮やシルクなどはシワになりやすいということに注意して使用しましょう。
コートの丈をそろえて、空きスペースを有効活用
コートにはロングやショートと、さまざまな丈のコートがありますが、できるだけ長さを揃えて掛けると収納しやすくなります。長さの違うコートをちぐはぐに吊るすと、下のスペースが十分に取れず、デッドスペースになってしまいます。
長さを揃えると、コートを吊るした下のスペースが整って、収納ケースやチェストを置けるようになります。このように見栄えも良く、工夫次第ではより多くの物を収納できるようになります。デッドスペースになりがちなコート下も、しっかり活用しましょう。
和室の押入れにつっぱり棒を設置してコート収納に
クローゼットの収納スペースを使い切ってしまって、コートを吊るす場所がないときは、和室の押し入れを活用しましょう。収納設備がない押し入れでも、つっぱり棒を設置すればハンガーを掛けてたくさんのコートが収納できます。
多くの押入れは上下2段に分かれているので、上段にはつっぱり棒を設置して吊るす収納、下段には引き出し付きの衣装ケースを入れれば、たくさんの衣類を収納可能です。上段に吊るしたコートも、先ほど紹介した丈を揃えて吊るす方法を用いて、空いたデッドスペースにチェストや衣装ケースを置いて、収納スペースを増やせます。
シーズン中のコート収納アイデア
ここからは、シーズン中のコート収納について解説します。シーズン中のコートは、頻繁に着ることが想定されますので、取り出しやすさが優先事項になります。シーズンオフの保管場所であるクローゼット以外の収納をおすすめします。
シーズン中のコート収納は「玄関」がおすすめ
玄関の一角をコート置き場にすれば、出る直前にサッと着られるので便利です。家に帰ってきたときも、玄関で脱げるので、外からのホコリや汚れを室内まで持ち込まずに済みます。リビングでの脱ぎっぱなしも防げて、部屋をきれいに保てます。
ポールハンガーにアウターを掛ける収納
シューズクロークにポールハンガーを設置すれば、スペースを圧迫せずスマートにコートを掛けられます。子どもがいる家庭なら低い位置にもフックが付いているタイプか、子ども用のポールハンガーを設置すると、簡単に掛けられます。ポールハンガーの途中にカゴやエコバッグなどを掛けておけば、手袋やマフラーも収納できます。
壁にフックを取り付けて、サッと掛ける収納
ワンルームの賃貸など、玄関が狭くなかなか収納スペースが取れない場合は、部屋にフックを設置するのがおすすめです。いくつかのフックが連なったタイプなら、まとめてコートを掛けてもスッキリ見せられます。フックには金属製のシルバーや木製の温かみのあるデザインなど幅広く販売されているので、部屋のインテリアに合わせてコーディネートしましょう。
100均のすのこでアウター専用のハンガーラックをDIY
アウター専用のハンガーラックをすのこでDIYするのもおすすめです。軽いアウターを掛けるなら、木工用ボンドで固定するだけで簡単に作れます。100均でもすのこは手に入るので、費用をかけずにハンガーラックが作れる点も大きな魅力です。
収納スペースに合ったサイズのすのこを、ふたがない箱型に組んで、途中に丸棒を挟めば完成します。インテリアと合わせて色を塗り替えたり、キャスターを付けたりして、自分好みにアレンジしてみましょう。強度に不安がある場合は、木工用ボンドだけでなく、釘を打ったり、すのこを2枚重ねで組み立ててください。