AI活用し乗り合い送迎 「チョイソコうんぜん」実証へ 19日から国見-愛野間

お披露目の試験運行に出発する「チョイソコうんぜん」のワゴン車=雲仙市役所前

 長崎県雲仙市は持続可能な地域交通の確立を目指し、人工知能(AI)を活用した乗り合い送迎サービス「チョイソコうんぜん」の実証運行を19日、国見-愛野町間でスタートする。2022年3月末まで実証し、本格運行を目指す。

 区域内の住民が会員登録して利用する。店舗や病院などの企業がスポンサー契約すれば停留所として登録される仕組みで、スポンサー停留所の数を増やして、利用客の利便性向上を図っていく。
 実施主体は市、長崎トヨペット、市内タクシー事業者などでつくる運営協議会。地域交通を支援する「トヨタ・モビリティ基金」を活用して、トヨタ自動車グループのアイシン精機(愛知県)が開発した地域交通システム「チョイソコ」を運用する。運用は全国の自治体で11番目。
 実証事業費は約2500万円。同基金と市負担金を除くと約400万円の収入が必要だが、運賃収入と企業スポンサー収入で賄える見通しという。
 運行区間は北部地区(国見、瑞穂町)と西部地区(吾妻、愛野町)で、乗客定員8人のワゴン車を1台ずつ運行する。停留所はごみステーション、公民館など計400カ所でスタートし、スポンサー停留所を随時加えていく。
 利用者は乗降する停留所、到着したい時間などを予約センターに電話で連絡。複数の利用予約をAIが処理し、最適な運行ルートで車両が運行される仕組み。区間内の1回の運賃は小学生以上200円。
 11日に市役所で車両のお披露目式があり、金澤秀三郎市長が「多くの企業から協力を頂いた。AIを活用した地域交通の課題解決に向け、最大限の努力をする」と述べた。

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