「ゑべす蛸」2商品開発 大瀬戸町漁協 地元酢造会社などとタッグ

酢だこ(左)と味噌だこの試作品

 マダコのタコつぼ漁が盛んな長崎県の大瀬戸町漁協(本木隆光組合長)が「ゑべす蛸(たこ)」のブランド名で販売しているボイルダコの新商品開発を、地元の酢造会社や地域商社と進めている。
 西海市は本年度、市内4漁協のブランド魚の知名度向上や、販路の多様化を図る目的で新たな加工品の開発に取り組んでいる。同市の地域商社、西海クリエイティブカンパニー(浪方勇希社長)が事業を進めており、対象魚は、ゑべす蛸のほか▽うず潮カキ(西彼町)▽カタクチイワシ(瀬川)▽崎戸イセエビ(西海大崎)。
 「ゑべす蛸」は同漁協が2009年に加工所を建て商品化。県内を中心に販路を広げてきた。新商品開発には創業120年で、みそづくりも手掛ける川添酢造(川添成行社長)も参加している。
 同漁協と2社は14日に市内で試食会を開催。アイガモ農法米で作ったまろやかな酢を使いマダコの食感を引き立てた「酢だこ」と、みそとタコをあえた漁師飯「みそころ」をヒントにした「味噌だこ」の2点を披露した。試食会には市内の30代女性や市職員ら約10人が参加。「味がよいので、他の食材と併せて調理したい」「食べきれる分量で販売してほしい」などの意見が出た。
 新商品は試食会の意見を踏まえ、年内にも市内直売店でテスト販売を始める。大瀬戸町漁協の商品開発担当、堤裕亮さん(62)は「新たな味が加わることで、ゑべす蛸を市の特産品として定着させたい」と話した。

地元酢造会社の酢やみそを使った「ゑべす蛸」の新商品を味わう参加者=西海市、大瀬戸コミュニティセンター

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