長崎県五島市下崎山町に伝わる国指定重要無形民俗文化財の奇祭「ヘトマト」について、地元の保存会は16日までに、来年1月17日の行事の大幅縮小を決めた。締め込み姿の男たちが長さ約3メートルの大草履を抱えて練り歩いたり、見物客の顔にすすを塗りたくったりするのが見どころだが、新型コロナウイルス感染防止のため中止。関係者による神事のみを実施する。
豊作豊漁や家内安全などを願う伝統行事。島内外から多くの観光客が詰め掛ける人気の祭りだが、メイン行事は人の密集が避けられず、十分な安全を確保できないと判断した。
行事をつかさどる8代目御幣持ちの山内清一さん(41)は「地元の人も楽しみにしているので残念だが、安全のため仕方がない。地域の平穏のため、神事だけでもしっかりと行いたい」と話した。