長崎県内公立校 いじめ認知件数は減少 不登校2163人、過去最多に

長崎県内公立学校のいじめ認知件数の推移

 長崎県教委がまとめた公立の小中高校と特別支援学校の問題行動・不登校調査によると、2019年度の県内のいじめ認知件数は2668件で、現在の調査方法となった06年度以降最多だった前年度(3213件)から545件減少した。いじめが解決した割合を示す解消率は、前年度比4.7ポイント増の93.2%だった。一方、心理的、情緒的、社会的要因などによる不登校は250人増の2163人で、過去最多となった。
 県教委児童生徒支援課は、いじめに対する教職員の意識向上を要因に挙げ、「児童生徒の様子をよく観察し、状況を把握することが未然防止につながっている」と分析。不登校問題については「無理して学校に行かなくてもいいとする社会の意識変化も一因。スクールカウンセラーなどの相談体制の充実を図りたい」としている。
 いじめ認知件数の内訳は、小学校が前年度比566件減の1893件、中学校が21件減の615件。高校は25件増の140件、特別支援学校は17件増の20件だった。いじめ防止対策推進法が規定する重大事態やいじめに起因する自殺の件数は、特定につながるとして公表していない。
 内容(複数回答)は、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が1859件で最も多く、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」が557件で続いた。
 小中高校全体の暴力行為は前年度比3件増の439件で、中学校では37件増えた。病気や経済的理由、不登校などで年間30日以上欠席した長期欠席者は188人増の2613人で、過去最多。
 私立の小中高校については、県学事振興課が調査結果を発表。いじめ認知件数は前年度比15件減の76件、暴力行為は16件減の46件、不登校は46人減の203人だった。

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