虐待児童保護へ訓練 児相と長崎県警 連携手順を確認

女児(中央)を保護する訓練に取り組む児相職員(両端)=長崎市、県警察学校

 長崎こども・女性・障害者支援センター(児相)と県警は21日、児童虐待事案が発生した際に、強制的に家庭に立ち入る「臨検」の合同訓練を県警察学校(長崎市小江原5丁目)の模擬家屋で実施した。
 合同訓練は連携強化を目的に2015年から取り組んでいる。訓練は、父母と暮らす小学3年女児への虐待が疑われると市が児相に連絡し、児相の立ち入り調査に父親が応じず女児に面会できない-という想定。家屋に踏み入った児相職員と援助要請を受けた県警少年課員が手分けして女児を親から引き離し、保護するまでの手順を確認するなどした。
 児相によると、これまで県内で臨検に踏み切った事案はないという。担当者は「児童虐待事案は通報件数も含めて増加傾向にあり、背景には貧困など多くの要因がある。早期発見が何より重要なので、ちゅうちょなく児相に連絡してほしい」と話した。
 県によると、19年度に児相が対応した児童虐待相談件数は前年度比156件増の1053件に上り、過去最高だった。

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