マンションのリフォーム期間。部分、規模別に必要な期間の目安を紹介

マンションをリフォームする場合、どれくらいの日数がかかるのでしょうか。もし長くなるようなら、その間の生活はどうなるのかも気になります。工期を決める要素は、リフォームの場所や規模、施工方法などさまざまです。また、手続きを含めて工期を見積もるのが大切です。今回は、マンションリフォームの工期の目安について部分別に紹介します。

マンションのリフォームに必要な期間の目安

マンションリフォームの工期は、工事内容や範囲、施工方法などによって変わってきます。工事規模が大きいほど、工事期間も延びると思っておきましょう。以下、マンションリフォームに必要な期間の目安を紹介します。

クロス/壁紙の張り替えは1~2日で終わる

リフォーム事例で多いのが、天井や壁のクロスの張り替えです。古い壁紙をはがして下地補修、最後に新しいクロスを張るといった作業のため、それほど日数はかかりません。1部屋あたり1~2日で終わります。もちろん、張り替える部屋の数が多ければそれだけ日数を要します。

同じくリフォームの多いフローリングの張り替えは、部屋の広さや工法に左右されます。場所別の工期の目安を以下の表の通りです。天井クロスの張り替えは壁クロスと同じくらいで、1~2日で作業が完了します。ただし、広い部屋の天井張り替えとなれば最長3日程度かかるのが一般的です。

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キッチンや浴室などの水回りのリフォームは数日間

キッチンや浴室、トイレなどの水回りリフォームも、どこからどこまで手を加えるかで工事の日数が変わってきます。

同じトイレリフォームでも便座交換だけだと1~2時間程度あれば十分です。便器の交換作業だと1日で完了します。和式から洋式への変更となれば大きな工事となるため、2~3日は見たほうがいいでしょう。さらに配線・内装工事を施せば、3~5日はかかると想定する必要があります。

お風呂リフォームも浴槽のみの交換なら約1日、ユニットバスで全体をリフォームする場合は数日を要するのが一般的です。

水回りのなかでも工事日数がもっとも多いのが、キッチンのリフォームです。キッチン設備を取り換えるだけで最短でも2~3日かかります。レイアウトそのものを変更する場合は、1~2週間の工事となります。キッチン工事は電気・ガスの配線工事が必須のため、どうしても時間がかかります。

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全面リフォームの場合は全工期合わせて半年間が目安

住まい全体をフルリフォームする場合、手続き・事前準備から工事完了まで少なくても半年間はかかると考えておきましょう。工事そのものは2カ月程度ですが、管理組合への相談、リフォーム会社との打ち合わせ、近隣住民への告知など、もろもろの手続きや準備に3カ月程度を要します。工事内容が決まり契約が成立しても、近隣住民へのあいさつ回りなどすべきことは多々あります。全面リフォームでは、根気よく準備を進めていきましょう。

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マンションのリフォームをスムーズに進めるためのポイント

マンションにはたくさんの人が住んでいます。専有部分とはいえ、マンションはみんなで共有する財産という意識が不可欠です。リフォームは、周囲の理解を得ながら進めていく必要があります。スムーズに工事を進めるためにも、以下の2点のポイントを押さえておきましょう。

マンションの管理規約をしっかり確認する

リフォーム前の管理規約の事前確認は欠かせません。たとえ法的に認められた専有部分のリフォームであっても、管理規約に抵触する工事は避けましょう。

管理規約はマンションごとに異なり、なかには制限が多くて希望通りの工事ができないケースもあります。床材の種類や工事日数、事前準備の内容など、リフォームに関する取り決めがこと細かに規定されているため、必ず確認のうえ工事計画を実行するようにしてください。チェックせずに工事に入ると規約違反を問われ、後々面倒なことになりかねないので注意しましょう。

近隣の住民の方に事前に周知してトラブルを回避

騒音やそれに伴うクレームなど、リフォーム工事につきもののトラブルがあります。とくに全面リフォームとなれば、長い間工事業者が出入りすることになり、エレベーターの使用や物音、駐車場の出入りなどで迷惑をかける可能性も。こうしたトラブルを未然に回避するためには、工事前のあいさつ回りが大切です。

事前にお知らせがあるのとないのとでは、印象が大きく変わります。近隣住人との関係がギクシャクしては、せっかくリフォームしても居づらくなってしまうでしょう。1週間くらい前には直接訪問してお知らせするのが望ましいといえます。訪問対象の範囲ですが、一般的には「上3軒、下3軒、両隣」が妥当といわれます。

マンションリフォームの工期を短くする方法

ちょっとした工夫や心がけ、入念な準備次第で、マンションリフォームの工事にかかる日数を減らせます。以下で紹介するコツを参考にしてください。

工事機材や人の出入りがスムーズに進むように整理しておく

リフォーム場所の整理整頓や掃除、障害物の排除や移動など、できるだけ工事がしやすいような環境を整えておきましょう。リフォームでは大きな機材の搬出入が必要となり、人の出入りも激しくなります。

養生ひとつとっても、部屋の状態によっては、時間がかかってしまうこともあります。工事の邪魔になるような家具があればあらかじめ移動させておくなどの配慮があるだけでも、作業のしやすさは変わります。気づいたところがあれば、できる範囲で整理整頓することをおすすめします。

短くするためにプランニングを工夫する

工期は、施工方法やアプローチの仕方次第で長くも短くもできます。たとえば、単純にメーカーの洗面台を設置するのと、造り付けで全体の空間をデザインするのとでは、後者のほうが手間も時間もかかるため工期は長くなります。

造り付けの家具や空間デザインにこだわるのはもちろん大切です。しかし、プラン内容を精査し、一つひとつに優先順位をつければ、「ここに置く台や家具はそこまでこだわらなくていい」と妥協点が見えてくるかもしれません。このようにプランニングの精査と工夫で、工期を削ることは可能です。

工事前に詳細について決めておく

急いで工事に入ってもらうのではなく、打ち合わせや準備を念入りにしたうえで施工となったほうが、工期は短縮できます。詳細について詰めておかないと、工事の途中でイメージに合わなかったり、追加工事が必要となったりといった事態が発生して、工事が停滞してしまいます。事前に決められることについてはきちんと決めて、準備万端整ったところでスタートすると、工事もスムーズに運ぶはずです。

マンションをリフォームする際の注意点

数日かかるキッチンリフォームの工事の場合、調理や食事が難しくなる

リフォーム工事がはじまると、以前のように住居を使えなくなることがあります。また、規約や法的な問題で想定のプラン通りに運ばない可能性も。これらの注意点を把握したうえで準備やプランニングに着手しましょう。

フルリフォームの際は仮住まいが必須

フルリフォーム期間中は、基本的に住居を使えません。キッチンやお風呂、トイレなどの生活設備に制限が加わるため、一時的に仮住まいを用意しておきましょう。部分リフォームであっても、騒音など生活の妨げになる要因があれば、仮住まいを検討したほうが無難です。

各部位によってリフォーム中の生活に制限がある

リフォームの場所によっては簡単な作業だけで済み、当日終了する場合もあります。小規模で簡易的なリフォームであれば、すぐの現状復帰も難しくありません。ただ、キッチン工事のような数日かかるリフォームだとそうはいきません。期間中はキッチンの使用が困難なことから、調理や自宅での食事が難しくなります。工事の内容や規模によっては生活に支障が生じやすく、いろいろと不便も多いと思っておきましょう。

梁や柱型はリフォームできない

建物を支える構造体の一部となっている梁・柱に手を加えることはできません。マンションリフォームでは、基本的に構造や強度、耐震性を変えてしまうような工事は禁止です。そのため、「間取り変更しようと思ったが、柱が邪魔をしてできない」といった障害が立ちはだかり、計画が白紙になってしまうこともあります。

壁の取り外しも基本は禁止ですが、間仕切り壁などの撤去は可能です。また、「ラーメン構造」と呼ばれる、柱と柱の間隔が広くとられた構造体であれば、比較的自由に間取り変更ができます。何と何が撤去できて、どこまで施工を許されるのか、わからないことは何でもリフォーム会社に確認し疑問を解消しましょう。

リフォームには管理組合への事前申請が必要

マンションリフォームが戸建てリフォームと異なる最たるものは、「管理組合の事前承認が必要」という点かもしれません。たとえ専有部分のリフォームであっても、管理組合に申請し承諾を得なければ工事契約できないのが基本です。管理規約に引っかかってリフォームをあきらめなければいけないケースもあります。

また、さまざまな手続きは管理組合経由で行われます。これもマンションリフォームの工期が長くなる一因です。さらに、マンション住民へ周知するための時間も設けなければなりません。こういった事情があるため、工事期間は一戸建てリフォームより長くなってしまいます。マンションリフォームは長期戦の構えで、じっくり腰を据えて臨みましょう。

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