中古物件を購入したときや、住まいの劣化が気になってきたとき、選択肢に挙がるのが「リノベーション」。とはいえ、リノベーション工事には高額費用が必要です。あまりお金をかけられない方にとっては、リノベーションはハードルが高いと思うことも。
しかし、予算が700万円程度あれば、納得できるリノベーションを行うことは可能です。この記事では、予算700万円でのリノベーション事例を紹介します。低予算でもこだわって住まいづくりをしたいと考えている方は参考にしてください。
リノベーション費用700万円の施工事例
リノベーション費用を700万円とすると、どのような施工が可能なのか気になるところ。実際の予算700万円の施工事例を紹介します。併せて600万円台、500万円台、300万円台の予算での施工事例も解説するので、予算を決める参考材料としてもチェックしてみてください。
【704万円】大胆な間取り変更で広いリビングに
700万円台でのリノベーション施工事例として紹介するのが、大胆に間取りを変更するケースです。もともとは3DKの家でしたが、キッチンが各部屋に囲まれるような間取りで、空間が暗く感じられるのが難点だったため、リノベーションでバルコニー側のふたつの部屋の壁を取り払い、ひとつのLDKにしました。
複数の部屋をまとめてリビングへと変更したことにより、広々と開放的で、生活動線もしっかりと確保できる空間になりました。床には天然無垢材を採用し、キッチンの壁はアクセントに「ネイビー」を選ぶなど、こだわりが詰まったリノベーションが実現しました。
こちらのリノベーション事例について間取りなど詳しい情報はこちら。
ブルーの壁、天然無垢材の床、好きなインテリアでワタシらしい住まいM様邸
【640万円】憧れの白い家
640万円ほどでのリノベーション事例は、目に入るほとんどの部分を白を基調とした内装にしたものです。壁紙や床材、天井、設備などをすべて「白」で統一して揃えました。壁紙や床は、デザイン性を高めるために、異なる質感を覚える素材を使用しています。
同じ「白」でも、部屋や場所によって表情の異なる「白」を楽しめます。キッチンも、収納棚の扉や壁は白で揃えてありますが、「レンガ調」「木目を感じるデザイン」など、雰囲気の異なる素材を使用しています。ちなみに、このリノベーションでは、予算を抑えてデザイン性を高めるために、間取りの変更や設備の位置の変更などは最小限に抑えました。
こちらのリノベーション事例について間取りなど詳しい情報はこちら。
上質な白へのこだわりI様邸
【600万円】愛猫のためにキャットウォークのあるリビングに
約600万円の予算でリノベーションした施工事例として紹介したいのが、愛猫のために工夫を施した住まいです。リビングの壁や天井には、愛猫のためのキャットウォークを取り付け、扉には猫用のドアを設けていつでも自由に出入りできるようにするなど、家族だけではなく猫も快適に過ごせるようなアイデアが詰まっています。居室や洗面所など、各部屋には色柄の異なるアクセントクロスを取り入れ、雰囲気の異なる空間へと模様替えしました。
こちらのリノベーション事例について間取りなど詳しい情報はこちら。
インテリアと愛猫との暮らしにこだわったT様邸
【500万円】水回りの設備にこだわった部分リノベーション
こちらは水回りにこだわったリノベーション。リノベーションする場所は、物件面積のすべてではなく、水回りのみに絞っているため予算500万円で実現しています。キッチンは、アイアン素材の吊戸棚を設けたり、扉を交換したりなどのリノベーションを行いました。
お風呂はアクセントパネルを取り入れて、スタイリッシュな雰囲気へ。洗面台は、シャープなデザインの洗面ボウルを取り入れ、床材をタイルへと変更するなど、雰囲気が一新されています。水回りはシンプルなデザインの設備にして、すっきりとした雰囲気にしています。
こちらのリノベーション事例について間取りなど詳しい情報はこちら。
水回りを一新して気持ちよくオシャレに暮らすO様邸
【360万円】壁と床のデザインに特化したリノベーション
こちらは400万円以下で実施したケース。床には天然無垢材（ウォルナット）フローリングを採用し、落ち着いた印象にしました。天然無垢材は高級素材のひとつですが、耐久性の高さから張り替え頻度が少なく済み、結果的にコストを抑えやすいのが特徴です。
こだわりは、床だけではなく「壁」にも見られます。全室の壁紙を「イエロー」「ブルー」などのカラーのものに張り替え、部屋ごとの個性を感じさせるように仕上げました。
こちらのリノベーション事例について間取りなど詳しい情報はこちら。
壁＆床が主役K様邸
700万円でデザイン性重視のリノベーションができる
住まいの雰囲気を変えたいときや、劣化が気になった時、リフォームを検討する方が多いと思います。しかし、選択肢はリフォームだけではありません。700万円程度の予算で、デザイン性にこだわったリノベーションも選択肢に挙げられます。
デザイン性にこだわるなら㎡単価は12万～15万円が目安
リノベーションを実施するにあたり、知っておきたいのが㎡あたりの単価です。デザイン性にこだわってリノベーションするなら、㎡単価は12万～15万円程度が目安といわれています。グレードや素材にこだわらなければ㎡単価10万円程度でリノベーションを検討できますが、デザインにこだわりたい場合は㎡単価12万～15万円は見ておきましょう。
リノベーションの費用相場について詳しくはこちら。
リノベーションの費用と内訳。相場はいくら？戸建て、マンション別の金額目安
60㎡以上のフルリノベーションなら予算は800万円を超える場合も
リノベーションを行うにあたり、工事規模によっては予算の幅が上下します。もし、60㎡以上の広さをフルリノベーションするのであれば、予算は800万円を超える可能性があります。同じ内容のリノベーションであっても、施工範囲やリノベーション内容（部分的なリノベーションか、フルリノベーションか、間取り変更をするかなど）で1㎡あたりの単価は違います。
世間でいわれているリノベーションの単価相場が、必ずしも自分のケースにも該当するとは限りません。リノベーションにおける単価相場や費用目安などについては、あくまでも「参考」として、把握しておいてください。
リノベーション内容ごとの費用目安
リノベーション費用は、「どのような工事を実施するか」で大きく異なります。とくに、「どこをリノベーションするか」で費用に差があるので、資金計画を立てる際には、工事予定の場所の費用目安を把握しておくと安心。ここからは、リノベーションの内容ごとに、具体的な「費用目安」を紹介するので、予算を立てるときのヒントにしてください。
水回りの設備交換
リノベーションを行うにあたり、水回りの設備交換を実施する場合は、「キッチン」「浴室」「トイレ」「洗面所」で、それぞれ費用が異なります。キッチンや浴室の設備を交換する場合は、おおよそ50万～150万円が費用目安です。
トイレや洗面所の設備を交換するなら、費用目安はだいたい15万～50万円です。それぞれの費用差が大きい理由は、設備の種類やグレード、位置を変更するかしないかが関係しています。キッチンであれば、壁向きタイプから対面式に変更するとなるとリノベーション費用は高額になります。
お風呂に関しても、在来工法（タイル張りのお風呂）から、ユニットバスに変更するリノベーションは高くつきやすいものです。水回りの設備交換は、「リノベーション場所」「リノベーション内容」によって、100万円以上差があることも珍しくありません。
水回りの費用相場について詳しくはこちら。
水回りリフォームの費用相場と注意点――セットでリフォームすると安い？
部屋の間取り変更
部屋の間取りを変更するリノベーションを行うなら、費用目安はだいたい20万～350万円といわれています。部屋の間取り変更の費用に大きな差がある理由は、「リノベーションの規模」が関係しています。
間取り変更では、間仕切りを設置する価格は一箇所あたり8万～25万円程度です。間仕切りの設置場所が多いほどに、費用が高くなります。逆に、間仕切りを撤去する場合も同様で、1箇所あたりおおよそ7万～23万円が費用目安で、撤去する数が多いほどリノベーション費用も高くなります。
戸建ての外装
戸建てであれば、外装がリノベーション対象になることがあります。とくに、築10年以上経過している戸建ての場合、メンテナンスが必要です。戸建ての外装をリノベーションする際の費用目安は、
- 塗装：50万～180万円程度
- 重ね張り：100万～200万円程度
- 張り替え：130万～230万円程度
とされています。ただし、住宅が2階以上であれば、「足場代」も加算されるので注意してください。足場代の費用目安はおおよそ15万～20万円です。
耐震補強や断熱リフォーム
リノベーション内容が、耐震補強や断熱リフォームなら、それぞれに高額な費用が発生します。耐震補強であれば、リノベーション費用はだいたい25万～200万円とされています。断熱リフォームに関しては、20万～120万円程度が費用の目安です。工事の規模や内容によっては、費用目安よりも金額が高くなることがあるので注意してください。
耐震リフォームについて詳しくはこちら。
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断熱リフォームについて詳しくはこちら。
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バリアフリー化
住まいをバリアフリー化するなら、費用目安はだいたい数万円～300万円です。トイレに手すりを設けるだけというリノベーションであれば、おおよそ5万円程度で実施できます。しかし、車いすでも階をまたいだ移動できるように、「ホームエレベーター」を設置するなどの大規模なリノベーションを検討しているなら、約300万円もの費用が目安です。どこをどのようにバリアフリー化するかによって、費用は数百万円単位の差があります。
バリアフリー化のリフォームについて詳しくはこちら。
介護リフォームの費用相場は？補助金や注意ポイントを事例とともに解説
リノベーションで利用できるローンの種類
リノベーションでローンの利用を検討している方は多いはず。しかし、いざローンを利用する際に、「どんなローンを利用できるか」を把握しておかないと、スムーズに手続きが進みません。ここからは、リノベーションで利用できる「ローンの種類」を紹介します。
リフォームローン
リノベーションで利用できるローンとして、定番ともいえるのが「リフォームローン」です。リフォームローンには、大きく「無担保型」「担保型」の2種類があり、前者のほうが審査に通過しやすいものの、金利が高いという特徴があります。金融機関が提供するローンによっては、借り入れ上限が1000万円に設定されているものもあるので、大規模なリノベーションを検討している方でも安心です。
住宅ローン（物件購入＋リノベーション）
住宅ローンは、本来物件を購入するための融資ですが、物件購入とまとめることでリノベーション費用を含めて申請できます。もし、リノベーション前提で中古住宅の購入を検討しているなら、工事費用とまとめてローンを利用できないか金融機関に相談してください。
住宅ローンは、リフォームローンと比べると、金利も低いのでお得です。ただし、住宅ローンは、リフォームローンよりも審査が厳しいというデメリットもあります。契約者の属性によっては、住宅ローンが利用できない可能性があるので注意してください。
リノベーションのローンについて詳しくはこちら。
リノベーションのローンの選び方とは？住宅ローンとリフォームローンを徹底比較
目的や用途次第では、リノベーションで補助金を受けられる場合もあります。補助金について詳しくはこちら。
2020年（令和2年）リフォームで受けられる補助金、減税、優遇制度を紹介
