歴史的風致維持に認定書 長崎市長 「新しい輝きを」と抱負

小林茂樹国交政務官(左)から認定書を受ける田上市長=国交省

 今年3月、長崎県内で初めて政府に認定された長崎市の歴史的風致維持向上計画の認定書交付式が10日、国土交通省であった。市は東山手・南山手地区を重点区域に位置付け、洋館の保存活動や長崎居留地まつりの伝承などに取り組むことにしており、出席した田上富久市長は「長崎のシンボルの地区がさらに新しい輝きを放てるよう住民とまちづくりを進めたい」と話した。
 同地区では8月、住民や民間事業者などでつくる長崎居留地歴史まちづくり協議会が設立。歴史的資産を生かした営みや、にぎわい創出に向けた歴史まちづくり計画を策定中で、来年度は具体的な取り組みを盛り込んだ実施計画を作る。旧グラバー住宅など歴史的建造物の保存修理や夜間の景観整備、空き家対策などが検討されている。
 認定されると国から交付金の上乗せなどが受けられる。市は、国交省が整備に動きだしている長崎港の2バース化と連動したまちづくりを進めたい考えで、田上市長は「認定は絶好のタイミング。大変ありがたい」と喜んだ。
 市は向上計画に▽近世長崎の町人文化▽中国文化の伝来▽外海の石積文化▽被爆継承と平和の祈り-のテーマも盛り込んでおり、今後テーマごとに取り組みを考えていく。

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