田中将大 「最高のオフスピード・ピッチを持つFA投手」に選出

メジャーリーグ公式サイトでは日本時間11月30日、「ベストのツールを持つフリーエージェント投手」を特集する記事を公開し、オフスピード・ピッチ(チェンジアップ/スプリッター)部門を担当したサラ・ラングスはヤンキースからフリーエージェントとなった田中将大を選出した。ラングスは田中を選出する決め手となったスタッツとして、「今季のスプリッターの被打率が.207だった」ことを挙げている。また、次点にはマット・シューメイカーとトニー・ワトソンの2人が挙げられている。

ラングスによると、今季300球以上を投げた投手のうち、田中よりもファストボールの使用割合が低かった投手は1人だけ。田中のファストボールの投球割合は31.6%で、これはツインズの前田健太(28.5%)に次いでメジャーで2番目に低い数字だった。スライダーが全投球の38.6%、チェンジアップが29.4%を占めていた前田に対し、田中はスライダーとスプリッターを多用。スライダーが全投球の37.7%、スプリッターが24.8%を占めた。

ラングスは、メジャー最初の3年間はスプリッターの投球割合が最も大きかったものの、2017年からはスライダーが最多となったことを紹介。しかし、「(スライダーが最多となってからも)スプリッターはカギとなる球種だった」とスプリッターの重要性に言及した。今季はスプリッターの被打率が.207、被長打率が.379を記録したが、これは田中の他のどの球種よりも優れた数字だった(1打数0安打のカーブは除く)。

前年はスプリッターが思うように機能せず、被打率.254と被長打率.408はいずれも自己ワーストの数字だったが、今季はその数字を改善することに成功。ラングスは「ファストボールをあまり使わない投球アプローチのなかで、田中のスプリッターは彼の成功のカギとなっていた」と結論づけた。

決して圧倒的な存在ではないものの、スライダーとスプリッターを中心とした巧みなピッチングで先発ローテーションの一角として安定した働きを期待できる田中。日本球界復帰の可能性も取り沙汰されているが、32歳の右腕にはどんなオファーが届くのだろうか。

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