日産リーフ 発売10年、累計50万台販売 「電動化」で先陣

写真左は2010年に発売された初代「日産リーフ」。中と右は17年にフルモデルチェンジし航続距離も大幅に伸びた現行の2代目(同社提供)

 日産自動車(横浜市西区)は3日、日産「リーフ」が初代の発売から10年を経て、世界累計販売台数が50万台に達したと発表した。リーフは当時、年間6万台規模で生産が可能な「初の量産電気自動車(EV)」としてグローバル市場に投入された。国内では一貫して追浜工場(横須賀市)で生産されてきた。フラッグシップモデルの一つとして同社の「電動化技術」を率いてきた。

 発売から10年の節目に、同社の内田誠社長は「私たちは持続可能な社会の実現に向けて、着実に歩を進めていく。今後もEVをはじめとする電動化車両のラインアップを拡大し、電動化の価値を届けていく」とコメントした。

 日産リーフは、2010年12月の発売以降、国内のEVで販売台数1位が続いている。17年9月にフルモデルチェンジした2代目が投入されると、国内販売台数は年間2万台を超えるようになった。日本を加えた世界市場でも18年には年間8万5千台を販売し、欧州ではこの年EVの販売台数1位を獲得。いまでは世界規模で50を超える市場で売られている。

 モデルチェンジのたびに出力やトルクを向上させ、静粛性や走りの滑らかさに磨きをかけてきた。満充電で走れる航続距離も進化させ、19年1月のマイナーチェンジでは570キロまで引き上げられた。一般的な小型のガソリン車の航続距離と比べても遜色のない距離となり、競争力が増している。

 日産は、この10年で培ってきたEVの技術や、利用者の使用頻度、走行距離などのデータをフル活用し、新型EV「アリア」を今年7月発表した。満を持して投入する新作の航続距離は610キロに達するという。最先端の運転支援技術や安全装備、外部との通信技術を搭載し、21年中にも発売される。

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