五輪メダリストの前で熱戦 永瀬杯柔道大会 初開催 永瀬選手「もっと好きになって」

入賞者にメダルを掛ける永瀬選手(左)=長崎日大学園第1体育館

 五輪メダリストの名前を冠にした「第1回永瀬貴規杯柔道大会」が20日、諫早市の長崎日大学園第1体育館で行われ、園児から小学5年までの男女が試合をできる喜び、楽しさを満喫した。来年の東京五輪男子81キロ級代表で、自らの名前が大会名称となった永瀬貴規選手(旭化成、長崎日大高出身)は「もっともっと柔道を続けて、好きになってほしい」と子どもたちへ願いを込めた。
 コロナ禍で各種大会の中止が相次いだ今年。その状況で競技を始め、練習を続ける子どもたちに喜びや悔しさを肌で知ってもらおうと、同学園と剛柔心柔道クラブが初めて開催した。県内の約200人が出場。宿泊を伴わない当日のみの参加で、検温や誘導、手指や畳の消毒などの感染症対策を徹底した。

【幼年決勝】五輪メダリストの前で熱戦を繰り広げる選手たち=長崎日大学園第1体育館

 2016年リオデジャネイロ五輪銅メダリストの永瀬選手が見守る中、13階級を実施。各階級の決勝はオリンピアン自ら審判を務め、入賞者にメダルを掛けた。小学3年男子重量級を制した前田道斗君(世知原)は「投げて一本を取れてうれしかった。みんなに覚えてもらえる強い選手になりたい」と満足げだった。
 負けて泣きだす子どもやわが子の試合初勝利に涙ぐむ保護者の姿もあった。永瀬選手の母、小由利さんは「自分の子どもが小さいころを思い出して、かわいいなと思った。こういう大会を開いてもらってありがたい限り」と穏やかな表情で試合を見詰めていた。
 大会実行委員長で永瀬選手の恩師でもある長崎日大高の松本太一監督は「長崎で柔道をやる子に刺激を与えることができれば」と大会の意義を強調。永瀬選手は「自分は昔どうだったかなと振り返りながら見ていた。がむしゃらな姿は懐かしいし、今後も大事にしたい」と子どもたちから元気をもらった様子だった。


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