IMSA:台数減少のGTLMクラスに救世主現る。ウェザーテック・レーシングがポルシェで参戦へ

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTLMクラスに、ポルシェ911 RSRがプライベート参戦することが明らかになった。ウェザーテック・レーシングが、2018年にル・マン24時間レースのLMGTEアマクラスを制したプロトン・コンペティションのオペレーション・サポートを受け、1台体制で2021年のフルシーズン参戦を果たす。

 クーパー・マクニールがフルシーズン参戦するドライバーとなるが、組み合わされるドライバーは固定されず、レースごとにローテーションされるものと思われる。

 1月の開幕戦デイトナ24時間レースでは、いずれも2019/20シーズンにポルシェのワークスドライバーであったケビン・エストーレ、ジャンマリア・ブルーニ、リヒャルト・リエツがマクニールに加わる。

 この契約には、2021年のル・マン24時間レースに参加するためのエントリー申請も含まれている。

「我々は、この動きについて多くのことを検討してきた」と昨シーズン、IMSAのGTDクラスでスクーデリア・コルサがオペレートするウェザーテック・フェラーリをドライブしたマクニールは語る。

「私はル・マンにおいてこのレベルの競争に2回、最近では2020年も参戦したが、マシンのパフォーマンスが向上していることに満足している」

「我々は再びポルシェを走らせることなる。911 RSRのステアリングを握ることを楽しみにしているよ。ドライバーとしての自分にはより大きなプレッシャーがかかるだろうが、2021年にGTLMクラスへ参戦するために必要なさらなる努力をすることはウェルカムだ」

「2016年にル・マンでクリスチャン(・リード)とレースをしたので、我々には経験もある。リヒャルド、ケビン、ジミ(ブルーニ)と一緒に、デイトナ24時間を走れることを楽しみにしている。プロトンには耐久レースにおける素晴らしい歴史があるし、ポルシェはデイトナでは常にコンペティティブだしね」

 ウェザーテック・レーシングの参戦は、参戦台数の減少に直面している今季のGTLMクラスを強化することになる。

 ポルシェが2020シーズン限りでGTLMクラスでのワークス活動から撤退するなか、BMWの2021年の参戦規模は現在のところ不透明な状態だ。

 プログラムパートナーとなるプロトンは2012年から、WEC世界耐久選手権における中心的チームであったが、IMSAへの初参戦に向け準備を整えている。

 プロトンのチームオーナーであるクリスチャン・リードは2020年末、チームは2021年もWECおよびELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦することを目指しているとSportscar365に対して語っている。

 プロトンは2019モデルのポルシェ911 RSRを4台購入しており、2020シーズンまではワークスチームが走らせていたこのモデルを、2021シーズンからはカスタマーが走らせることが可能となる。

「我々は数年前から、IMSAのウェザーテック選手権への参戦を検討してきた」とリード。

「これまでは、まだそのタイミングではないと感じていた。だけどワークス活動の撤退があり、GTLMにポルシェの空白ができることになった」

「我々はデイビッドとクーパーと協力し、ポルシェブランドをIMSAのGTコンペティションにおけるトップレベルに位置させ続けることが可能となった」

「僕はこの挑戦を楽しみにしているし、IMSAのプログラムを2021年のスケジュールに加えることができて興奮しているよ」

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