全日本バレー高校選手権 大村工 惜敗

【男子2回戦、仙台商―大村工】第3セット、大村工のエース金子がスパイクを放つ=東京体育館

 バレーボールのジャパネット杯第73回全日本高校選手権第2日は6日、東京体育館で男女の2回戦計32試合が行われ、長崎県勢は女子の聖和女学院が西邑楽(群馬)にストレート勝ちして3回戦に進んだ。男子の大村工は仙台商(宮城)に1-2で敗れた。
 聖和女学院は第1セットからリベロ佐伯、OP中村らが粘り強くボールをつなぎ、テンポの速い攻撃を展開。MB山下、岡住の速攻、OH田口のバックアタックなどで得点を重ね、25-15、25-18で快勝した。
 大村工は第1セットを16-25で落としたが、第2セットはエース金子の強打、MB大曽の速攻などで反撃。25-23で奪い返した。第3セットは相手の攻撃に対応できず、19-25で振り切られた。
 第3日は7日、同会場で男女の3回戦、準々決勝を実施。聖和女学院は3回戦で2019年インターハイ王者の就実(岡山)と対戦する。

◆早すぎる終戦 大村工・エース金子 奮闘及ばず

 「日本一」を掲げてきた大村工の挑戦が、2回戦で幕を下ろした。ユース日本代表候補で主将のOP金子は「チーム全体を鼓舞できなかった。悔いは残っている」とうつむいた。好チームの早すぎる終戦になった。
 第1セット。生命線のサーブレシーブが乱れ、得意のコンビバレーができなかった。逆に仙台商(宮城)の多彩な攻めに苦しんでミスも連発。16-25で先取された。
 息を吹き返したのは第2セットの中盤。朝長監督から「エースを信じろ」と一喝された選手たちは、懸命にレシーブを拾い、セッター田中は金子にトスを託した。エースも仲間たちの信頼に呼応。体勢が崩れていても、3枚ブロックに対して腕を振り抜いた。15-19から追い付き、25-23で奪い返した。
 金子は最終セットも奮闘。どこからでもスパイクを打ち続け、この試合22得点を記録した。MB大曽のBクイック、MB村田の1人時間差も織り交ぜながら粘った。だが、最後は相手セッターのツーアタックがコート中央に落ちた。
 コロナ禍の今年は、予定していた遠征などが組めず、練習の量と質を両輪に強くなっていく大村工にとっては、苦しい1年だった。朝長監督は「その分、部員53人全員が一緒に練習できた。一人一人の良さが見られた」と手応えも口にしたが、やはり実戦不足は否めなかった。もっと上位が狙えたはずのチームだった。

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