森会長の辞意「当然」 先行き懸念も 長崎県内の反応

 森喜朗会長が辞意を固めたのを受け、長崎県民や県内の競技団体関係者からは「辞任は当然」という憤りや、先行きへの懸念、態勢の立て直しを急ぐよう求める声が聞かれた。
 「男女平等の意識がなく、根底に女性蔑視の気持ちがあると感じた」。市民団体「女の平和in長崎」共同代表、長嶋惠理子さん(69)は憤る。組織委員会ホームページを通して会長を代えてほしいという意見を伝えていたといい、「辞任は当然」と切り捨てた。
 諫早市の自営業、原田千桂子さん(45)は、これまでの言動から世間に不信感が募っていたと指摘。「開催できるか否かの大事な時期の失言。功績は認めないといけないが、それを勘案しても、やっぱり辞めるべき」と話した。
 「発言が発言だけに辞任は仕方ないが、士気が下がりそうで残念。コロナもどうなるか…」。地元で聖火リレーを走る予定の壱岐市郷ノ浦町の漁協職員、川下和明さん(41)は不安げ。「こんな機会は二度とないし、何とか開催できる環境が整えば」と祈る。
 東京五輪に、県勢はライフル射撃の松本崇志(自衛隊、島原市出身)、カヌーの水本圭治(チョープロ、岩手県出身)、柔道の永瀬貴規(旭化成、長崎市出身)の3選手が出場を決めている。松本選手を指導した日本ライフル射撃協会常務理事で県ライフル射撃協会の鍵山博副会長(71)は「ライフルの県勢にとっては8大会ぶりの大舞台。どんな形でも開催してほしいのが本音」とした上で「会長がとどまり続けても逆風が強まるばかり。辞任を機に、もう一度心を一つにして大会への機運が高まれば」と刷新に期待した。

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