独占直撃 楽天ドラ1・早川の恐るべき質問力 田中から「取捨選択するのは自分次第」の金言引き出す

田中将(右)の前で腕を振る早川。緊張気味か…。顔写真は早川

キャンプたけなわ。各球団とも開幕をにらんだ調整が続いているが、なかでも注目を集めているのが、田中将大投手(32)が電撃復帰した楽天だ。そんな楽天キャンプで存在感を高めているのが、ドラフト1位ルーキー・早川隆久投手(22=早大)。第1クールからブルペン入りし、早くも開幕先発ローテーション入りの声も高まっている。黄金ルーキーはどんな気持ちでキャンプを過ごしているのか。田中将への思いを含め、直撃した。

――キャンプも中盤。体の調子は

早川 疲労はピークに達していますね。大学はシーズン開幕がプロに比べて1か月遅い。そこに合わせて4年間やってきましたから。それを1か月早めるとなるとやはり体は驚いています。この時期に(状態を)上げていくのにはなかなか体が慣れないですね。

――調整は順調か

早川 はい。順調というか(周囲から)ほぼ自分のやってきたようにやればいいと言われているので。結構自由にやらせてもらっています。

――第2クールから田中将がチームに合流。田中将との会話は

早川 まだ少ししか話せていませんが、だいぶリラックスしながらできるようになったというか。本当に「気軽に聞いて」と(田中将が)言われていた通り、質問したことに優しく答えてくれますので。今後、ピッチング、ブルペンで気づいたことを積極的に質問していきたいです。

――自分のピッチングを田中将に見てもらうということか

早川 いや、逆ですね。田中さんのピッチングを見て、自分が気づいたことを質問していきたいです。自分のピッチングを見て、どうこう言ってください、というのはまだおこがましいので。(自分の投球は)見てくれるタイミングがあって何かアドバイスがもらえればいい。自分が感じたことを田中さんに質問して「自分はこうなんです」と比較しながら質問した方が、田中さんも答えやすいと思うので。

――たとえば直近の田中将への質問は

早川 1年目の(キャンプでの)球数はどのぐらい投げましたか、と聞いたら「15年前のことだから忘れちゃったよ」という感じでした(笑い)。でも「当時と今とでは環境が違うし、情報が転がっているから。それを取捨選択するのは自分次第だよ」と言われて。「一野球人としていろいろなことを聞き入れながら試していくのもいいんじゃないか」とも言っていただきました。

――だいぶ親密に話せている感じがするが

早川 そうです…ね(笑い)。田中さんだけでなく先輩たちが優しく教えてくれたり、自分からもいろいろと聞けるようになってきたので。先輩の配慮もあります。非常にありがたいです。

――練習ではランニングを重視しているように見える

早川(早大先輩の)和田さん(毅=ソフトバンク)と話した時も、すごく走っているという話を聞きまして。ランニングで自分の基礎、体をつくっていくのはありかなという思いもありますので。

――楽天では昨季最多勝の涌井もランニングの鬼として有名だ

早川 和田さんもそう言っていました。だから「ワク(涌井)にいろいろ聞いてみた方がいいよ」と。これからいろいろ聞いてみたいです。

――ところで、休日や休みの時間は何をしているのか

早川 休み時間…あまりないですね(笑い)。休んでいるという時間を感じられないというか。毎日練習終わるとすぐ寝る、という感じですから。休んでいるという感覚がないです。でも自分の時間が短いからこそ充実した時間を過ごせているのではないでしょうか。

――時間がある時に自分のことが掲載されている新聞やテレビ、ネットとかは見たりしないのか

早川 あまり新聞とかネットとかは見ないですね。すみません(笑い)。周りの情報も必要だと思いますが、自分はどちらかというと先輩方や周囲の人に直接教えてもらったことをそのまま生かしていきたいと思っているので。体重の増やし方だったりだとか、先ほどのランニングのことだったりとかもそう。自分が直接聞いたことを大切にしていきたいです。

――話を聞いていると自分を持っているし、ブレない。入団直後から「自分は自己中」とも話している。その姿勢は今後も崩さない

早川 そうですね。今のところは先輩方の意見を聞きながらも、自分のやり方をまずはやってみようと。そうやって頑張っていきたいと思っていますので…。よろしくお願いします。

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