杉本商店(高千穂)大賞 サステナアワード

「サステナアワード2020」大賞に選ばれた杉本商店の動画作品の一場面

 農林水産業の持続可能な取り組みを動画作品にまとめて発信する「サステナアワード2020」(農林水産省など主催)で、高千穂町の原木干しシイタケ加工・販売会社「杉本商店」(杉本和英社長)が大賞に輝いた。
 同アワードは、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」実現を目指し、持続可能な生産と消費を推進するプロジェクトの一環として初めて開催。全国から42作品の応募があり、16作品が入賞した。
 同社の動画作品は約3分間。県北山間部など九州中央山地のクヌギを切り出して行われるシイタケ栽培が、森林を守る循環型林業であるとPR。高齢化で生産者が減少する中、町内外の障害者支援施設と協力したシイタケ生産、加工に乗り出し、障害者の収入増にもつなげていることを伝える内容などが評価された。
 杉本社長(46)は「国内需要が落ちる一方、この地域でしかできない原木シイタケの栽培は、世界からも高く評価されている。動画を活用して世界中に発信し、生産を持続して担い手を増やしたい」と話した。
 表彰式はオンラインで2月上旬に実施。県内からは杉本商店のほか、人工知能(AI)と収穫ロボットで農業の人手不足解決に取り組む新富町のベンチャー企業「AGRIST」(アグリスト、齋藤潤一社長)がルーキー優秀賞に選ばれた。
 入賞作品は農水省のホームページに掲載。環境配慮型の農林水産業の推進や持続可能な消費活動のPR、国際会議での情報発信などに活用されるという。

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