【J1】G大阪“クラスター”発生の波紋 コロナで倒産危機のクラブが「2、3ある」の声

G大阪・宮本恒靖監督

Jリーグが“コロナ倒産”の危機に直面している。J1G大阪は3日、新型コロナウイルス感染症の検査で選手4人とスタッフ1人が陽性判定を受けたと発表。“クラスター”の発生で同日の名古屋―G大阪戦は中止となった。チーム内には濃厚接触者もおり、今後の試合開催も不透明な状況だ。

Jリーグ関係者は「ガンバも名古屋もお金のあるチームだから、まだいいけど」と前置きし「試合が中止になると、設営やスタッフなどの経費もかかる。チケットの払い戻しだって無料ではないし、出ていくものは多い。再試合ならば、また経費もかかるし、この状況では本当に潰れるクラブが出てくるんじゃないかな」と指摘した。

もちろん、リーグからの支援などはあるものの、各クラブの“お財布事情”はかなり厳しくなるという。「どのクラブも昨年からコロナで収入は減っている中で、これからも試合が延期になることは間違いなくあるから。まだ観客を(フルに)入れられなくて、収入も限られているから延期が増えれば(財政的に)厳しくなるクラブは出てくる。危ないクラブが2、3あると聞いている」と同関係者は明かした。

実際、Jリーグは昨年10月に、2020年度決算で全56クラブの約4割が債務超過、約8割が赤字になるとの見通しを示していた。かねて懸念されている鳥栖は10億円超、仙台も7億円超の赤字となっており、当時、Jリーグの村井満チェアマン(61)は「憂慮すべき事態。クラブを存続させる方針で動いていく」と話していた。

ただ、21年になっても状況に大きな変化はないだけに、各クラブの経営は本格的に不安視され始めている。特にJ2やJ3にはコロナ禍以前から“自転車操業”のクラブもあって「現金収入となるチケット収入が減ると、傾いていくところが出てくる」(同関係者)。いよいよクラブの倒産が現実味を帯びてきそうだ。

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