卒業記念に100年前の八丁畷描く 川崎・川崎中生徒がタイル画

完成したタイル画の前で地域の魅力を語るる石川さん(左)と勝山さん=川崎市川崎区下並木

 川崎市立川崎中学校(同市川崎区下並木)を今春卒業する3年生135人が、京急線八丁畷(はっちょうなわて)駅前にタイル画を制作した=写真。約100年前の青空が広がる駅舎と赤い京急電車を描いた卒業制作で、懐かしい風景で地元の魅力を伝えている。

 同駅前は旧東海道沿いに位置し、住民の依頼を受けた同校は2001年に安藤広重の「東海道五十三次・川崎宿」のモザイク画を制作。しかし19年の台風19号で劣化が進み、昨秋に撤去していた。

 町会から新しい絵の掲出を望む声が寄せられ、沖野浩教頭は「3年後の川崎市制100周年を前に、市が誕生した頃の絵でも」と発案。生徒たちは1月から11色のタイルで駅舎や電車、バスなどを描き、今月11日の卒業式を前に縦85センチ、横175センチの作品を完成させた。

 石川愛美さん(15)は「地域の人に懐かしいと思ってほしい。小さい子には昔の八丁畷の様子を知ってもらいたい」。勝山珠蓮(しゅれん)さん(15)は「作品をこの場に残せて感慨深い。川崎のきれいな空の色を通る人に知ってほしい」と話した。

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