【DeNA展望】三嶋一輝 9年目で初の開幕守護神「若手に負けたくない」

三嶋一輝

 9年目で初めて守護神として迎えるシーズン、横浜DeNA・三嶋一輝に慢心は一切ない。オープン戦は4試合無失点。安定感で群を抜くが「昨季は優勝できていない。もっとレベルアップしないといけない」と気を引き締める。

 キャンプは首脳陣から調整を一任されたが、「若い選手には負けたくない」と、自らに厳しい走り込みを課して日々を過ごした。開幕投手を務めたこともある若手時代の苦悩が今の支えになっている。

 「期待されながら裏切ったことがあるし、なかなか結果が出なくて自分も悔しい思いもした。ずっと忘れられない。ここで調子に乗ったら足元をすくわれるのは自分が一番分かっている」

 昨季は夏場から不振の山崎康晃に代わり、クローザーを託されて18セーブをマーク。失敗はなかった。日本代表の稲葉篤紀監督は「抑えになってより一層、最後を抑えるんだというものが出てきた。今後さらにいいものが出てきたら、しっかり考えたい」と語り、東京五輪の守護神候補にも挙げている。

 マウンドで跳ねるようにして投じる豪快なストレートで、今季は何度ファンを歓喜の輪に包み込んでくれるのか。「一日一日、1アウトを取るために必死でやっていくだけ」。やはり背番号17におごりは微塵(みじん)もない。

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