消費税報告未提出多数、是正求める 長崎県包括外部監査人が指摘

 長崎県包括外部監査人の濱口純吾弁護士は25日、2020年度の監査結果を県と県議会に提出した。補助金事務をテーマに138件を監査。補助金を受ける事業者に提出義務がある「仕入れにかかる消費税相当額報告書」が未提出となっているケースが多数あるとして是正を求めた。
 監査対象は19年度の事業のうち、500万円以上の県単独補助事業。交付申請などの書類調査と所管課の聞き取りを実施した。適法性に問題があるとして速やかな是正・改善を求める「指摘事項」は53件、是正・改善が望ましい「意見」は78件だった。
 同報告書の提出は、県の補助金交付要綱で義務づけられている。17年度の監査でも「消費税返還義務がある場合、報告書が提出されないと補助金の過払いにつながる恐れがある」と指摘を受け、県は報告させるよう各部局に指示しているが徹底されていないという。
 このほか、申請する際の事業計画書などが抽象的で、事業や支出の内容が把握できないなどの問題点も見受けられると指摘。交付の必要性などを審査できる具体的な内容を記載させるよう求めた。概算払いの必要性の慎重な検討や、定期的な現地調査と調査内容の記録化なども検討すべきとした。

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