オリオールズのM・ハービー 開幕ローテーション入りが決定

かつて「ダークナイト」のニックネームで打者から恐れられた男が復活への第一歩を踏み出した。日本時間3月26日、オリオールズはマイナー契約の招待選手としてスプリング・トレーニングに参加していたマット・ハービーをロースターの40人枠に登録したことを発表。開幕ロースター入りと開幕ローテーション入りが決定した。今季の年俸は100万ドル。ブランドン・ハイド監督がハービーを監督室に呼び、開幕ロースター入りを直接伝えたという。

現在31歳のハービーはメッツ時代に華々しい活躍を見せ、2013年のオールスター・ゲームではナ・リーグの先発投手を務めた。ところが、相次ぐ故障や私生活の乱れの影響もあり、2016年以降は急激に成績が悪化。2018年に途中移籍したレッズで7勝7敗、防御率4.50と復活の兆しを見せたものの、2019年はエンゼルスで防御率7点台、昨季はロイヤルズで防御率11点台に終わった。

オフシーズンのあいだは復活を目指してアナリティクスを駆使したピッチングの再構築に取り組み、オープン戦では速球が最速95マイル、安定して90~94マイルを計測するなど復活をアピール。3試合に先発して10イニングを投げ、3本のアーチを浴びたため防御率は5点台になってしまったが、与四球を1つだけに抑えるなど、安定感のあるピッチングを披露してマイナー契約から開幕ロースター入りを勝ち取った。ロースター争いのライバルとなるフェリックス・ヘルナンデスが右肘の違和感を訴えたことも、ハービーにとっては追い風となった。

「オールスター・ゲームで先発して、ワールドシリーズも経験したとき、ロースター入りすることがどんなに興奮するか考えたこともなかった。(現地時間3月27日が誕生日なので)一足早い誕生日プレゼントになったよ。おそらく今までで最高のプレゼントだ」とハービー。「昔の自分になろうとはしない。より良い選手になることだけを考える」と過去の自分にとらわれず、現実と向き合いながら復活を目指す。

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