楽天が先発・涌井秀章投手(34)の7回無失点投球で、日本ハムに8―2と先勝。石井監督の初陣を飾り、右ふくらはぎ痛のため第2戦の登板を回避した田中将大投手(32)の〝出遅れショック〟を払拭した。
走者は許しても最後の一本は許さない。そんな涌井らしさ全開のザ・ピッチングだった。
史上初、3球団で開幕勝利をマークした涌井は「基本的に今日は球にキレがなく唯一、シンカーがいい変化をしていた。太田が(配球で)機転を利かせてくれた」とまず女房役に感謝。その上で石井監督の初陣に約束通り勝利を届け「ホッとしている。ずっと若いころからお世話になってきていたので良かったです」と西武時代からの兄貴分への恩返しに笑顔を見せた。
公式戦初勝利のウイニングボールを受け取った石井監督は「現役時代にご飯もたくさんご馳走したのでしっかりやってくれたと思う。(その恩は)まだまだ返しきれていないと思うので、今年は柱としてしっかりやってくれると思う」とぴしゃり。
さらに「最初から開幕投手に迷いはなかった。長い付き合いで、ちゃんとターゲットを絞った時に彼はやってくれるんで不安はなかった」とし、西武時代に岸、牧田、菊池らとともに行ったハワイ自主トレなどから深めた信頼感からの起用を語った。
楽天の絶対エース・田中将の復帰に関係なく、開幕投手・涌井を早い段階から決断していたという石井監督。初戦・涌井、第2戦・田中将という並びが結果的に今回のような有事へのリスクヘッジとして機能した。
直前で登板を回避した田中将にも負荷をかけることなく患部回復に専念できる豪華先発陣とエース・涌井の効能。石井楽天がまずは順調に船出した。