【東京五輪】〝内部資料暴露〟の文春報道に組織が激情コメント「所管の警察に相談」

組織委員会が入る東京・晴海のビル

ついに堪忍袋の緒が切れたか。東京五輪・パラリンピック組織委員会は1日、3月31日の文春オンラインおよび1日発売の週刊文春が東京五輪の開閉会式の内部資料を掲載したことを受けて「極めて遺憾」とコメント。さらに内部の秘密を不正に開示する者を強く糾弾しつつ、所管の警察に相談したことを明かした。

多難続きの組織委による怒りのコメント全文は以下の通り。

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4月1日発売の週刊文春、及び、昨日3月31日に文春オンラインに掲載された東京2020大会開閉会式関連の記事内容につきまして、同メディアは、開閉会式制作チームのメンバーだったMIKIKO氏のチームがIOCにプレゼンした280頁に及ぶ内部資料(昨年4月6日付)を入手したとして、資料に記載の演出内容に言及し、また、一部の画像を掲載しており、東京2020組織委員会としては極めて遺憾です。

本大会の開会式の演出内容は、開閉会式の制作に携わる限定された人員のみがこれにアクセスすることが認められた極めて機密性の高い組織委員会の秘密情報であり、世界中の多くの方に開会式の当日に楽しんでご覧いただくものです。

開会式の演出内容が事前に公表された場合、たとえそれが企画の検討段階のものであったとしても、開会式演出の価値は大きく毀損されます。加えて、組織委員会には、様々な代替案を考案するなど、多大な作業、時間及び費用が掛かることになります。このように開閉会式の内容を広く公表しようとする行為については、組織委員会の秘密情報を意図的に拡散し、組織委員会の業務を妨害するものであり、株式会社文藝春秋に対しては、書面で厳重に抗議を行うとともに善処を求めました。

この内部資料の一部の画像を本件記事に掲載して販売すること及びオンラインに掲載することは、著作権を侵害するものです。同社に対しては、当該の掲載誌の回収、オンライン記事の全面削除、及び、資料を直ちに廃棄し、今後その内容を一切公表しないことを求めています。

営業秘密を不正に開示する者には、不正競争防止法違反の罪及び業務妨害罪が成立しうるものであり、組織委員会としては、今回の事態を重く受けとめ、所管の警察に相談をしつつ、守秘義務違反を含め、徹底的な内部調査に着手しました。開閉会式の業務受託会社である株式会社電通に対しても、同様の徹底調査と報告を要請しました。さらに、制作チームの当時のクリエイティブディレクターなど、内容を知りうる全ての関係者には、あらためて守秘義務の遵守徹底を求めてまいります。

組織委員会としては、開閉会式が世界中の多くの方に楽しんでいただけるものとなるよう、引き続き真摯に取り組んでまいります。

(原文ママ)

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