長崎県職員採用試験「行政B」 約15人の採用枠に444人申し込み

 長崎県職員採用試験のうち、本年度から日程を従来より2カ月前倒しする大学卒業程度対象の「行政B」。法律や経済などの専門試験がなく、合格発表も6月に早めたことで、約15人の採用枠に対して444人が申し込んだ。昨年度、改称前の「行政特別枠」の申し込みは59人。7倍以上の急増に、県人事委員会事務局も「ここまでとは」と驚く。
 行政特別枠は、専門試験で有利な法律・経済専攻の学生だけでなく、幅広い分野から多様な人材を採用しようと2015年度に導入した。昨年度は専門試験がある「行政」など他の大卒対象職種と同じ日程。6月に二つの能力試験などの1次試験、7~8月に面接などの2次試験があり、8月下旬に合格者を発表した。
 本年度から行政Bに改称して採用枠も1.5倍に拡大。民間希望者が併願しやすいように日程を他職種と切り離して前倒しし、試験内容も変更した。今月18日の1次試験は民間企業で広く用いられ、論理的思考力などを問う基礎能力検査(SPI3)だけ。面接などの2次試験も5月に早めた。
 大卒程度全体の採用試験応募者は、過去10年間では13年度の1240人をピークに減少傾向。18年度647人、19年度577人、20年度526人だった。同事務局は「増えるとは考えていたが、ここまでとは。より良い人材を確保する起爆剤になれば」と期待する。


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