新型コロナ 高齢者のワクチン接種始まる 長崎県内44万人、初日は90人

朝長万左男医師(右)からワクチン接種を受ける入所者=長崎市、恵の丘長崎原爆ホーム

 65歳以上の高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が12日、長崎市など全国で始まった。医療従事者を除く一般住民への接種は初めて。対象は全国約3600万人、うち県内は約44万人。政府は6月までに必要な量を各市区町村に届ける方針。長崎市以外の県内20市町も遅くとも5月上旬までに接種を始める見通し。
 米ファイザー製のワクチンを使い、原則3週間の間隔で2回接種する。第1弾として47都道府県に送ったワクチンは約5万人分。供給量が限られているため、一部の自治体に絞ったスタートとなった。政府は初日に受けた高齢者は計1139人だったと発表した。
 長崎市三ツ山町の特別養護老人ホーム「恵の丘長崎原爆ホーム」では午前9時半ごろから約3時間で入所者90人が接種した。重いアレルギーのアナフィラキシーなどの副反応はなかったという。希望する約300人の接種を14日までに終える予定。
 同市によると、4月中に国から供給されるのは1462人分。特養ホームは重症化リスクが高い要介護者が多く入所し、クラスター(感染者集団)発生の恐れもあることから、「恵の丘」を含めた市内計30施設の約1900人を優先し接種させる。市内には65歳以上が約14万人いるが、5月以降の供給量と時期は具体的に決まっていない。市担当者は「供給時期の確定後に医療機関との最終的な調整が始まる。いつ、どれだけ供給できるかをできるだけ早く示してほしい」と国に要望する。
 一方、五島市は医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な二次離島から始める計画。体育館などでの集団接種や医療機関での個別接種の自治体もある。居住する各自治体から順次、接種券が郵送され、電話などで予約を受け付ける。

 


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