長崎県「感染ステージ3に」 県民宿泊割は一時停止 県内全域に警戒警報

主な感染の場面

 長崎県内で新型コロナウイルスの感染が急拡大しているとして、中村法道知事は19日の臨時記者会見で、感染の広がりを5段階で示す県独自のステージを20日に「2」(感染者の漸増)から「3」(増加・拡大)に引き上げ、県内全域に警戒警報を発令すると発表した。県民限定の宿泊割引キャンペーン「ふるさとで“心呼吸”の旅」は23日からいったん停止する。
 ステージは16日に「1」(散発)から「2」に移行したばかりで、わずか4日での再引き上げとなった。知事は「非常に深刻な状況。感染者が急増すると経路を追うのが困難になり、市中感染が拡大する」と危機感を強め、感染防止への協力を改めて呼び掛けた。
 県によると、直近1週間の県内感染者は111人で、前週の23人を大きく上回った。先月からの計167人のうちクラスター(感染者集団)が起きた長崎、佐世保、諫早3市で7割弱の115人を占める。県内初発と考えられる感染事例は県外旅行や出張など「県外由来」の割合が8割弱と依然高いほか、経路不明者が増えつつある。このため県外から多数の来場が見込まれるイベントは中止を含めて検討するよう要請。また濃厚接触者ら2次感染は飲食や病院・福祉施設関連が増加傾向にある。

県内の感染状況を説明する中村知事=県庁

 知事は感染急拡大の要因として、従来より感染力が強いとされる変異株を挙げた。県によると、ここ1週間の陽性者約100人のうち半数をスクリーニング検査。その半数に変異株の疑いがあったという。
 知事は新たに▽夜の繁華街での感染防止対策の徹底▽高齢者や療養者らとの面会の極力回避▽自主的なPCR検査などのため各地の薬局に設置する相談窓口の利用-などを呼び掛けた。


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