【東京五輪】今の医療現場を見て開催できると思うか?核心質問にIOC、組織委は…

東京五輪開催には賛否両論

今夏の東京五輪・パラリンピックの開催地・東京都は29日、新型コロナウイルスの新規感染者が1027人と発表。有識者からは「世界の感染状況に比べれば抑えられている」との声も上がるが、問題は医療現場だ。東京五輪に風当たりが強い決定的な理由は、ひっ迫する医療体制の現状にほかならない。

28日に開催された東京五輪・パラリンピック組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、日本政府、東京都、国際パラリンピック委員会(IPC)による「5者協議」では選手向けのコロナ対策をまとめた「プレーブック」改訂版(第二版)が公開。その後の記者会見では「日本ではすでにベッドの数が足りていない。医療資源を五輪に取られることに批判の声も出ている。この状況でも開催することは本当に正しいのか?」と国民の誰もが感じている質問が出た。

これに対し、IOCのクリストフ・デュビ五輪統括部長は「医療システムへのプレッシャーを軽減しなければいけないので唾液による検査にしている。鼻腔ぬぐい液で検査すると医療措置に等しいが、唾液は非常に簡単で、医師がいなくてもできる。良いソリューションだと思う」と話した。唾液検査によって医療従事者の数を減らせるという主張だ。

一方、中村英正ゲームズ・デリバリー・オフィサー(GDO)は「非常に重たく、かつ重大な論点です」と前置きしたうえで「今回、検査の頻度をかなり増やしている。原則、毎日です。検査をこまめにやることでクラスターが生じる頻度は劇的に下がる。クラスターが生じてしまうと、そこにものすごく多くの医療リソースを使わなければいけない。その結果、非常に多くの負担を与える。これをなくすためにできるだけ多く検査して、医療リソースへ負担をかけない形を今回お示ししました」と語った。
これで国民は納得するだろうか。

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