【東京五輪】無観客開催か 6月までジラされる観戦チケット保有者

せっかくのチケットも無駄になる?

東京五輪・パラリンピックはすでに海外客の受け入れを断念。国内客に関しては6月に上限数を判断することが先月28日の「5者協議」で合意された。

その翌日(29日)、チケット保有者には「東京2020大会の観戦チケットの取扱いについて」というタイトルの一斉メールが大会組織委員会から届いた。文面には「観客上限については、海外からの観戦を認めないとの大きな事情変更がある中で、変異株による国内感染の状況も踏まえ、観客数に係る判断は6月に国内のスポーツイベント等における上限規制に準じることを基本に行うこと」と5者協議の合意内容が明記。さらに「すでにご購入いただいている観戦チケットは原則そのままご利用いただけます」としたうえで「もし今後、新型コロナウイルス感染症の影響により組織員会が観戦の機会を提供できなくなった場合は、別途払い戻しを実施させていただく予定です」と、無観客や中止を想定したとみられる添え書きもあった。

いずれにせよ最終決断が6月まで引き延ばされたことで、チケット保有者はヤキモキしている。サッカー日本戦のチケットを手にしている40代男性は「スケジュールの兼ね合いもあるので早く決めてほしい」と困惑。バスケットボールのチケットを持つ30代の女性は「開幕1か月前に再抽選でバタバタするくらいなら、無観客にして早く払い戻しにしてほしい」と指摘する。

大規模会場は感染状況によって50%、2万人、1万人、5000人と上限が変動。仮に有観客となるとチケット保有者向けに「再抽選」を行って絞り込む必要がある。コロナ前に行われたチケット抽選でもトラブルが発生したことを考えると、1か月前の段階で競技施設に応じた観客数と保有者を割り出すのは混乱のもと。トラブルなく再抽選できるとは思えない。

組織委の橋本聖子会長(56)は「現段階でフルスタジアムは非常に厳しい。無観客という覚悟を持っている」と話しており、現実的には無観客の可能性が高い。ともあれ、チケット保有者としては一日も早く決断を下してほしいところだ。

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