【東京五輪】韓国の専門家が指摘する日本のワクチン接種遅れ「3つの理由」

ワクチンの接種が遅れている日本(ロイター)

韓国の専門家が、東京五輪を前に日本の新型コロナワクチンが遅れている理由を指摘した。

日本では他国と比べてワクチン接種が遅々として進まないが、そうした状況を韓国メディアが糾弾。韓国紙「京幾日報」が、朴成彬アジア日本政策研究センター長による見解を掲載した。

「日本のコロナウイルス接種率はOECD(経済協力開発機構)の加盟国で最下位レベルだ。ワクチン接種率が低い理由は何だろうか」という朴教授は最初にこう指摘する。

「まずワクチンの供給不足だ。日本は、米国、英国などの欧米諸国とは異なり、まだ自国でワクチン開発に成功していない。独自のワクチン開発に失敗しても海外から十分に輸入できれば問題は解決するが、米国などでワクチンの自国優先主義が強まりワクチン輸入が遅れている」。

また、日本のワクチン認可における制度の問題点も挙げ「海外での臨床とは別に、日本で独自の臨床試験を進めていることが遅れの理由だ。海外で開発されたワクチンの自国臨床を省略し、すぐにワクチン許可手続きを進めれば供給不足の解決に役立つだろう」。安全面を重視するあまり、緊急時のスピード感の欠如が供給遅れを招いているとの指摘だ。

「次に、ワクチン接種システムの問題がある」と朴教授は続ける。

「日本政府の役割はワクチンを調達して自治体に送ることまでで、実際のワクチン接種は自治体が実施する。最近、日本政府は接種の速度を高めるために東京と大阪に大規模接種センターの設置を決定したが、それでも接種は自治体が担う。政府は急いで接種管理データベースを構築しているが、自治体のシステムとの連携がスムーズではない。つまり、ワクチン接種率を上げるには接種者の管理のデータ化、デジタル化が重要である」とデジタル化の遅れがそのままワクチン接種にも影響が出たというわけだ。

最後に「今後、日本政府が新型コロナワクチン接種の速度を高め、コロナ禍で東京五輪をどのように成功させるのか注目される」と締めくくった朴教授。これまで感染対策においては韓国のほうが成功している感は否めないだけに、検討すべきポイントになりそうだ。

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