「感染者ゼロに全力」 長崎・中村知事、時短再延長に理解求める

第4波の主な感染拡大事例(多い順)

 中村法道知事は28日の臨時記者会見で、新型コロナウイルスの感染者は減っているものの長崎市を中心とする長崎医療圏の専用病床は依然として逼迫(ひっぱく)しているとし、同市の飲食店などに31日まで要請していた営業時間短縮を、6月7日まで1週間延長すると発表した。延長は2回目。同市に発令している県独自の緊急事態宣言も継続する。
 知事は「ようやく感染のピークを越えたが、再度の感染拡大をなんとしても防がなければならない。感染者ゼロに向け全力を注ぎたい」と述べ、時短の再延長に理解を求めた。
 長崎市内では4月下旬から感染が急拡大し、知事は同28日から5月11日まで、市内の飲食店や遊興施設に営業時間を午後8時(酒類提供は同7時)までに短縮するよう要請。その後、対象に運動施設や遊技場などを加えて要請を同31日まで延長していた。

長崎市に発令中の緊急事態宣言を継続すると発表する中村知事=県庁

 県によると、市内では直近2週間の初発事例のうち感染経路が分からないケースが半数近くを占め、27日時点の長崎医療圏の病床使用率は「緊急時対応」で確保した病床を除けば6割近くに達するという。知事は引き続き市内の外出自粛や、イベントの中止や延期、無観客開催などを呼び掛けた。
 一方、県内全体の病床使用率、新規感染者数、療養者数はいずれも減少傾向にあるため、県内の感染の広がりを示す独自のステージは、長崎市を除き最高の「5」から「3」に引き下げる。医療危機事態宣言は解除し、29日から警戒警報に切り替える。県本土の確保病床のフェーズを「緊急時対応」から「4」に移行し、6月1日に394床から335床に減る見通し。
 県は今回の第4波の感染事例を分析した。県外で感染した人が県内に戻り、職場の同僚や友人との会食などを通じて感染が拡大。それぞれの家庭内に広がったケースが多いという。


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