がんばれ!海星 西有家中出身バッテリー 江越「自分が流れをつくる」 植木「スイッチ入れてやる」

12日の初戦に向けて調整に励む江越(左)と植木の西有家中出身バッテリー=大阪府内

 約2週間前の長崎大会準決勝。長崎県代表の海星は長崎日大に延長十三回タイブレークの末、2-1で競り勝った。この大きな1勝の立役者となったのが、10回2/3をロングリリーフした江越と四回途中からマスクをかぶった植木。背番号「11」と「12」の西有家中出身バッテリーは自信と誇りを胸に、次は夢舞台での活躍を誓っている。
 江越は同じ海星出身で阪神の江越大賀の縁戚。互いの実家は約100メートルの距離で、小さいころはキャッチボールもした間柄だ。その“先輩”は7日に宿舎を訪れ、チームを激励してくれた。
 中学時代は「主に右翼で打順は8、9番」。目立った実績はなかったが、高校で最速145キロを投げるまでに成長した。だが、昨秋の県大会3回戦で、九回2死から3点リードを守れずに延長サヨナラ負け。春はベンチにも入れなかった。その悔しさなどをバネに、また、はい上がってきた。
 そんな江越ら投手陣を支えるのが植木。強打の太田に正捕手こそ譲ったが「球の調子に合わせてブルペンで組み立て方を考えて、いいイメージを持たせてマウンドに送り出す」と自らの役割を全うしている。
 長崎大会は5試合で途中出場。「100パーセント正しい配球はない。それを求めて試合をつくる楽しさがある」。江越に対しては「とにかく直球が走る。不安定で弱気になりそうなときも、一番自信がある球でリズムをつくった」と攻めの姿勢で右腕を引っ張る。
 中学からほぼずっと同じクラス。ともに一般受験で入学して、激しいメンバー争いを勝ち抜いてきた。今回は大阪の宿舎も同部屋。士気も高まっている。
 12日の聖光学院(福島)戦まで、あと3日。「自分の投球で流れをつくる」(江越)、「こいつはまだスイッチが完全に入っていない。自分が入れてやる」(植木)
 一緒に白球を追える高校最後の夏。最高の夏にする。

© 株式会社長崎新聞社