「新型コロナウイルス」関連倒産状況【6月3日17:00 現在】

 6月3日17時現在、「新型コロナ」関連の経営破たんが全国で210件(倒産152件、弁護士一任・準備中58件)に達した。2月2件、3月23件から4月は84件に急増。5月も83件に高止まりしていた。6月は1日が5件、2日は1件で踏みとどまったが、3日は一日の集計で最多の12件が判明した。

 都道府県別では、福井、和歌山、鳥取、高知、長崎の5県を除く、42都道府県で発生。
 件数は、東京都が47件(倒産42件、準備中5件)で突出。以下、大阪府が19件(同13件、同6件)、北海道17件(同14件、同3件)、静岡県11件、兵庫県10件の順。
 業種別は、インバウンド需要の消失、国内旅行・出張の自粛でキャンセルが相次いだ宿泊業が34件(同26件、同8件)。また、外出自粛で来店客の減少や臨時休業、時短営業に追い込まれた飲食業も34件(同21件、同13件)で並んだ。
 次いで、百貨店や小売店の臨時休業が影響したアパレル関連が24件(同18件、同6件)で、個人消費関連の業種が上位に並ぶ。この他、休校やイベント休止などが影響した食品製造業16件、自動車メーカーの操業休止が影響した下請け製造業3件、結婚式場4件や葬祭業2件の冠婚葬祭など、幅広い業種に広がっている。
 経営破たんした企業には、人手不足、消費増税、暖冬、新型コロナが4重苦となっている。
 集計対象外だが、負債1,000万円未満の倒産は、6月3日までに3件発生。ただ、休業中の企業・商店が制度融資や支援策などを活用せず、そのまま廃業や倒産を決断するケースもある。また、新型コロナの影響で休業に追い込まれ、再開の見通しが立っていない内視鏡専門クリニックもある。このように経営破たんは、表面化した数字以上に、水面下の動きにも注目が怠れない。
 緊急事態宣言の解除を受け、各地で事業者への休業要請が大幅に緩和された。だが、新型コロナ感染防止のため制限も多く、消失した売上がコロナ前に回復するには時間が必要だ。

 ※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
 ※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものを集計している。  

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6月3日 2月からの合計210件

 新型コロナ関連の経営破たんは、6月3日は一日の集計では最多の12件が判明した。2月から6月3日までの累計は210件に達した。
 従業員数が判明した201件では、従業員5人未満が60件(構成比29.8%)、同5人以上10人未満が41件(同20.3%)で、10人未満の小・零細企業が101件(同50.2%)と半数を占めている。
 従業員数の合計は7,744人に達する。パート、アルバイトなど非正規雇用まで含むと、雇用喪失はこの数倍に及ぶとみられる。新型コロナの雇用喪失は、地方経済への影響も懸念される。

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